アンダーマイニング効果(アンダーマイニング現象)とは
報酬などの外発的動機づけ(誘因)によって、すでにあった内発的動機づけが低下すること。
過程(プロセス)を楽しんでやっていたことが、報酬(ご褒美)を得る仕事になることで、やる気(モチベーション)が下がってしまうわけである。
「抑制効果」や「過正当化効果」などとも呼ぶ。
直感的には、報酬が与えられれば、やる気(モチベーション)が出てくるように感じる。
一方で、報酬によって自己決定感や有能感などが低下してしまうと、内発的動機づけが低下するわけである。
ただし、内発的動機づけがまだ弱い場合は、外発的動機づけ(誘因)を行うことも必要である。
外発的動機づけ(誘因)によって、内発的動機づけを高めるには、お金などの物理的な報酬ではなく、褒めるなど言語的な報酬が有効である。
これを、エンハンシング効果と呼ぶ。
子供に対するアンダーマイニング効果
アメリカのマーク・レッパーらは、アンダーマイニング効果についての実験を行った。
絵を描くのが好きな内発的動機づけのある子供たちに、絵を描けば報酬(誘因)を与えると説明した。(外発的動機づけ)
すると、報酬をもらえない子供たちに比べて、多くの絵を書いたが、内容は雑なものになっていった。
しかも、徐々に内発的動機づけも弱められ、自発的に絵を描くことが減っていった。
参考
関連する心理学用語
自己決定理論
人間性心理学
闘争・逃走反応(fight-or-flight response)
問題解決
創造性
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