欠乏欲求と成長欲求(存在欲求)とは
欠乏欲求とは、満たされないと強くなり、満たされると弱くなる欲求のこと。
足りないもの(マイナス)を満たそうとすることになる。
マズローの欲求5段階説(欲求階層説・自己実現理論)では、一番高次の自己実現の欲求以外が欠乏欲求に当たる。
また、欠乏欲求は、ある種のホメオスタシス性の欲求だと言える部分がある。
成長欲求(存在欲求)とは、人によって強かったり、弱かったりする個人的な欲求のこと。
目標とするもの(プラス)を目指そうとすることになる。
マズローの欲求5段階説(欲求階層説・自己実現理論)では、一番高次の自己実現の欲求に当たる。
マズローの欲求5段階説(欲求階層説・自己実現理論)
高次な欲求(動因)から順に、以下のようになっている。
- 自己実現の欲求(Self-actualization needs)・・・成長欲求(存在欲求)
- 承認・自尊の欲求(Esteem needs)・・・欠乏欲求
- 愛情・所属の欲求(Love/belonging needs)・・・欠乏欲求
- 安全・安定の欲求(Safety needs)・・・欠乏欲求
- 生理的欲求(Physiological needs)・・・欠乏欲求
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:MaslowsHierarchyOfNeeds.svg
欠乏欲求は強く、成長欲求は弱い
低次な欲求(動因)がある程度満たされることで、より高次な欲求(動因)が現れるとされる。
そのため、低次な欠乏欲求は強く、高次な成長欲求(存在欲求)は弱いと言える。
成長欲求(存在欲求)を続けるためにも、欠乏欲求をある程度満たしておく必要がある。
欠乏欲求は続かないが、成長欲求は継続する
欠乏欲求では、その欲求がある程度満たされると、動機づけ(モチベーション)は低下してしまう。
成長欲求(存在欲求)では、その欲求が完全に満たされることはなく、動機づけ(モチベーション)はある程度維持される。
欠乏欲求は環境に振り回されるが、成長欲求は自由
欠乏欲求では、その欲求が満たされるかは環境に依存するため、周りに振り回されやすい。
成長欲求(存在欲求)では、その欲求が満たされるかは自己に依存するため、周りに振り回されることが少ない。
参考
関連する心理学用語
人間性心理学
闘争・逃走反応(fight-or-flight response)
摂食障害(拒食症、過食症)
コメント