批判的思考(クリティカル・シンキング)とは
先入観や固定観念などにとらわれない、内省的で、偏りのない思考のこと。
物事を鵜呑みにせずに、本質を捉えられるようになる。
ただし、批判的思考(クリティカル・シンキング)は、自分の思考に対して批判的な視点を持つことであって、他者に対して否定することではないし、自分の人格を否定することでもない。
非合理的な認知バイアスにとらわれないために、批判的思考(クリティカル・シンキング)が用いられる。
認知バイアスの一種である機能的固着などから脱することで、イノベーションやクリエイティビティに必要となる創造的思考にもつながる。
論理的思考(ロジカル・シンキング)は、モレなくダブりなく、整合性を持って思考することである。
批判的思考(クリティカル・シンキング)のように、前提や根拠を疑ったり、物事の本質を捉えようとするものではない。
批判的思考(クリティカル・シンキング)に必要な能力
批判的思考(クリティカル・シンキング)のためには、以下のような能力が必要だとされる。
- 知的好奇心・・・新しいことに注目する
- 客観性・・・主観から離れる
- 開かれた心・・・公平な立場に立つ
- 柔軟性・・・固執せずに切り替える
- 知的懐疑心・・・前提や根拠を疑う
- 知的誠実さ・・・不利なものも受け入れる
- 論理的思考力・・・整合性を保つ(ロジカル・シンキング)
- 追求心・・・不明なままにしない
- 決断力・・・最後までやり抜く
- 他者の尊重・・・異なる立場を受け入れる
批判的思考(クリティカル・シンキング)のプロセスと姿勢
批判的思考(クリティカル・シンキング)では、以下のようなプロセスが行われる。
- 明確化・・・前提や根拠などを解釈する
- 推論の土台の検討・・・前提や根拠などの確からしさを分析する
- 推論・・・前提や根拠などをもとに判断する
- 行動決定・・・問題解決を行う
この過程で、批判的思考(クリティカル・シンキング)には、以下のような姿勢が求められる。
- 常に目的(イシュー)を意識する
- 思考の癖(認知バイアス)に気づく
- 多面的な視点で考え抜く
ここでは挙げられていないが、自身の認知バイアスに気づくためには、メタ認知が必要となる。
参考
関連する心理学用語
認知心理学
認知バイアス
正常性バイアス
アンカリング(アンカリング効果)
自制心(セルフコントロール能力)
衝動性
問題解決
創造性
意思決定
第三世代の認知行動療法
マインドフルネス
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