帰属バイアスと(帰属エラー)は
出来事や行動の原因を、どこかに求める心理的傾向のこと。
ものごとに原因を求めて推論することを帰属という。
帰属バイアス(帰属エラー)は、認知バイアスの一種である。
帰属バイアス(帰属エラー)の種類まとめ(一覧)
帰属バイアス(帰属エラー)には、以下のようなものがある。
帰属バイアス | 概要 | 備考 |
---|---|---|
対応バイアス (基本的帰属錯誤) | 外的な状況を無視して、 人の内的な特性に原因を求める | 指示(命令)されて行動した人も、 その人がやりたかったからだと考える |
行為者-観察者バイアス | 他人の行動はその人の内的な特性に、 自分の行動は外的な状況に原因を求める | 他人には厳しく、自分には甘く |
自己奉仕バイアス (セルフ・サービング・バイアス) | 良い出来事は自分の内的な特性に、 悪い出来事は外的な状況に原因を求める | 成功は自分のおかげ、失敗は周りのせい |
帰属バイアス(帰属エラー)の具体例
例えば、仕事に遅刻した人がいたとき、その人がだらしないせいだと思う人が多い。
実際には、電車の遅延など、仕方がない原因があったとしてもである。
これは、対応バイアス(基本的帰属錯誤)の例である。
例えば、自分が仕事に遅刻したとき、自分のせいにするのではなく、なんらかの外的状況のせいにする人が多い。
電車の遅延などが起こったことなどを、自分ならよく知っているからである。
これは、行為者-観察者バイアスの例である。
例えば、仕事がうまくいったとき、自分の能力が高かったからだと考える。
一方で、仕事がうまくいかなかったとき、上司や部下に恵まれなかったからだとか、運が悪かったからだと考える。
これは、自己奉仕バイアス(セルフ・サービング・バイアス)の例である。
帰属バイアス(認知バイアス)への対策
帰属バイアス(帰属エラー)などの認知バイアスに対処するために、企業などでは批判的思考(クリティカル・シンキング)が取り入れられている。
また、そもそも自身の帰属バイアス(帰属エラー)の存在に気づくためには、自分の認知バイアスに気づくメタ認知が必要となる。
そのため、メタ認知を鍛えることなどを目的に、マインドフルネスを訓練することが広まっている。
参考
関連する心理学用語
認知心理学
認知バイアス
正常性バイアス
アンカリング(アンカリング効果)
帰属バイアス
自制心(セルフコントロール能力)
衝動性
問題解決
コミュニケーション
第三世代の認知行動療法
マインドフルネス
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