メタ認知とは
認知についての認知であり、自己の認知活動そのものを客観的に認知すること、認知していることそのものを認知すること。
アメリカのジョン・H・フラベルによって、初めて用いられたとされる。
メタ認知能力は、客観的なもう一人の自分として説明されることがある。
認知心理学では、メタ認知をメタ認知知識とメタ認知制御の2つに分けて考える。
メタ認知知識とは、自己の認知活動を効率化するための知識である。
例えば、文章を書いたあとは見返したほうがいい、集中している場合はたまに休憩を挟んだほうがいい、などである。
メタ認知制御とは、実際にメタ認知を行うための行動である。
例えば、認知活動の計画・立案を行うプランニング、認知活動の点検・評価を行うモニタリング(セルフモニタリング)、認知活動の制御を行うコントロール(自制心・セルフコントロール能力)などに分類される。
学習・教育の手法としては、学習の手法そのものを改善して、学習の効率を高めること。
メタ認知は、心の理論によって可能になるとされる。
メタ認知は、学習・教育の分野だけでなく、産業・組織など広い分野で重要だとされている。
例えば、パワハラをしている本人には自覚がないことが多く、マネジメントにはメタ認知的な能力が必要になる。
例えば、毒親やモラハラをしている本人には自覚がないことが多く、育児・子育てや夫婦関係にもメタ認知的な能力が必要になる。
ビジネスなどの意思決定において、自身の認知バイアスに気づくためにも、メタ認知は重要である。
心理療法としては、マインドフルネスを取り入れた第三世代の認知行動療法などで訓練される。
例えば、自分の認知(思考など)に名前をつけることで、自己の中から外在化し、認知そのものから距離をとって客観的に観察することができるようになる。
メタ認知ができる人は、心理的柔軟性を発揮することができる。
参考
関連する心理学用語
認知心理学
外在化
認知バイアス
自制心(セルフコントロール能力)
衝動性
意思決定
第三世代の認知行動療法
マインドフルネス
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