心理学用語 心理的柔軟性

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心理的柔軟性とは

アメリカのスティーブン・ヘイズが、ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)の中で提唱した人間の機能モデル。

思考などとの心理的な距離感を柔軟に取ることが、心のしなやかさにつながる。

ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)は、認知行動療法(行動療法)にマインドフルネスを取り入れた第三世代の認知行動療法である。


心理的柔軟性は、マインドフルネスの説明にも用いられ、6つの要素や3つの要素などで表される。

以下は、心理的柔軟性を6つの要素で表現したヘキサフレックスの例。

上下をまとめて3つの要素も合わせて表現している。


  • オープンになる(opened)
    • アクセプタンス・・・体験を回避しないこと(思考に逃げない)
    • 脱フュージョン(脱とらわれ)・・・思考を手放すこと(思考は現実ではない)
  • 今ここにいる(centered)
    • 今、この瞬間・・・今に存在すること(過去や未来は思考でしかない)
    • 文脈としての自己(視点取得)・・・観察する自己がいること(思考に巻き込まれない)
  • 価値観に従う(engaged)
    • 価値(価値観)・・・感覚で選択すること(思考に引っ張られない)
    • コミットされた行為・・・価値に向かうこと(思考から行動に移す)


アクセプタンス

アクセプタンスは、体験の回避に対する概念であり、能動的に体験に向かうことである。

思考に逃げたり、気持ちと闘うのではなく、価値に向かって進んでいく。


アクセプタンスをわかりやすく表現すると、「現実との距離感」を大切にすることである。

現実の体験を回避しすぎると、不安や悩みが悪化してしまいやすい。


アクセプタンスと似た概念に暴露(エクスポージャー)がある。

暴露(エクスポージャー)は受動的だが、アクセプタンスは能動的である。


体験の回避と似た概念に安全行動(安全確保行動)がある。

安全行動(安全確保行動)は特定の体験が対象だが、体験の回避はあらゆる体験が回避の対象となる。


脱フュージョン(脱とらわれ)

脱フュージョンは、認知的フュージョンに対する概念であり、思考をありのままに受け取ることである。

思考や言葉にとらわれたりせずに、現実に向かって行動していく。


脱フュージョンをわかりやすく表現すると、「思考との距離感」を大切にすることである。

思考にとらわれすぎると、現実が見えなくなってしまいやすい。


「今、この瞬間」への柔軟な注意

今、この瞬間」への柔軟な注意は、非柔軟な注意に対する概念であり、今この瞬間に戻ってくることである。

思考でしかない過去や未来に没頭したりせずに、今この瞬間に気づいていく。


今、この瞬間」への柔軟な注意をわかりやすく表現すると、「今との距離感」を大切にすることである。

過去や未来にいすぎると、今を生きている実感が得られにくい。


文脈としての自己(視点取得)

文脈としての自己は、概念としての自己に対する執着に対する概念であり、人生を眺める視点である。

思考における登場人物としての自己に固執するのではなく、それを眺めている自己を意識していく。


文脈としての自己をわかりやすく表現すると、「自分との距離感」を大切にすることである。

自分に執着しすぎると、意識が外に向かいにくい。


文脈としての自己には、心の理論の発達が関わっており、メタ認知を可能とする。


価値(価値観)

価値は、価値の混乱に対する概念であり、人生の方向性を示す指針である。

思考に引っ張られるのではなく、感覚で選択していく。そこに理由は必要ない。


価値をわかりやすく表現すると、「価値との距離感」を大切にすることである。

価値から離れすぎると、生きている意味を見失いやすい。


価値は、その人の自発的な行動を促す強化子として働くものである。


コミットされた行為

コミットされた行為は、行為の欠如・衝動性・回避の持続に対する概念であり、価値に向かって行動することである。

思考だけに陥らずに、価値に向かって実際に行動に移していく。


コミットされた行為をわかりやすく表現すると、「行動との距離感」を大切にすることである。

行動が欠如していたり、衝動的だったりすると、価値に向かう行動につながりにくい。


関連する心理学用語

ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)

暴露(エクスポージャー)

安全行動(安全確保行動)

心の理論

メタ認知

強化と弱化

心理的安全性

行動主義

徹底的行動主義

S-R-S理論

第三世代の認知行動療法

ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)

マインドフルネス


参考



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