マズローの欲求5段階説(欲求階層説・自己実現理論)とは
アメリカのアブラハム・マズローが提唱した欲求(動因)の分類論。
低次な欲求(動因)がある程度満たされることで、より高次な欲求(動因)が現れるとされる。
マーケティングや自己理解などので、分析・検討のフレームワークとしても用いられる。
高次な欲求(動因)から順に、以下のようになっている。
- 自己実現の欲求(Self-actualization needs)・・・創造性、ロジャーズ
- 承認・自尊の欲求(Esteem needs)・・・承認欲求、自尊心
- 愛情・所属の欲求(Love/belonging needs)・・・社会的欲求
- 安全・安定の欲求(Safety needs)・・・身体的安全性、心理的安全性
- 生理的欲求(Physiological needs)・・・生存本能、一次的欲求
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:MaslowsHierarchyOfNeeds.svg
なお、自己実現の欲求の先には、さらに自己超越の段階があるとされる。
一次的欲求と二次的欲求
一次的欲求とは、飢えや乾き、睡眠や排泄、呼吸などの生理的欲求のこと。
マズローの欲求5段階説(欲求階層説・自己実現理論)では、一番低次の生理的欲求が一次的欲求に当たる。
二次的欲求とは、一次的欲求が満たされたあとに生じる心理的欲求のこと。
マズローの欲求5段階説(欲求階層説・自己実現理論)では、一番低次の生理的欲求以外が二次的欲求に当たる。
欠乏欲求と成長欲求(存在欲求)
欠乏欲求とは、満たされないと強くなり、満たされると弱くなる欲求のこと。
マズローの欲求5段階説(欲求階層説・自己実現理論)では、一番高次の自己実現の欲求以外が欠乏欲求に当たる。
成長欲求(存在欲求)とは、人によって強かったり、弱かったりする個人的な欲求のこと。
マズローの欲求5段階説(欲求階層説・自己実現理論)では、一番高次の自己実現の欲求に当たる。
動因(欲求)と誘因
動因(欲求)とは、内部から行動を引き起こす要因のこと。
誘因とは、外部から行動を引き起こす要因のこと。
マズローの欲求5段階説(欲求階層説・自己実現理論)では、内部から行動を引き起こす動因(欲求)を扱っている。
人は、動因(欲求)による内発的動機づけだけでなく、誘因による外発的動機づけにも影響を受けるため、適切に環境調整を行うことも重要である。
参考
関連する心理学用語
人間性心理学
闘争・逃走反応(fight-or-flight response)
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