ロウソク問題とは
ドイツのカール・ドゥンカーによって行われた、機能的固着に関する問題・実験。
人は、発想が固定観念や先入観にとらわれてしまい、別の発想が浮かばなくなる。
「ロウソク」1本、「マッチ」数本と、「押しピン(画鋲)」数個が「箱」に入れられてある。
「部屋の壁にロウソクを立てる」には、どうしたらいいだろうか。
ロウソク問題の答え
以下の図は、ロウソク問題のイメージ。
正解は、「箱」を「押しピン(画鋲)」で壁に取り付けることだ。
一方で、多くの人は「箱」という機能(用途)に固着(固執)するために、正解にたどり着けない。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Genimage.jpg
外的動機づけと内的動機づけ
カナダのサム・グラックスバーグは、ロウソク問題の実験に追加要素を加えて、動機づけ(モチベーション)について調べている。
被験者を2つに分け、それぞれ以下のように説明してから実験を行なった。
- グループA「問題を解くのにかかった平均時間を測定します」
- グループB「より早く問題を解けた人には、報酬を払います」
この結果、グループBよりもグループAのほうが、早く問題を解くことができた。
これは、グループBのほうが報酬(誘因)を与えられたせいで、頑張りすぎてしまったため、かえって発想の転換が難しくなったのである。
このように、内発的動機づけと違って、外発的動機づけはイノベーションの創出やクリエイティビティの妨げとなることがある。(イノベーションのジレンマ)
参考
関連する心理学用語
認知心理学
認知バイアス
自制心(セルフコントロール能力)
衝動性
問題解決
創造性
意思決定
第三世代の認知行動療法
マインドフルネス
ゲシュタルト
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