動因(欲求)と誘因とは
動因(drive)とは、内部から行動を引き起こす要因のこと。欲求(need)とほぼ同じ意味。
食欲や睡眠欲、好奇心や探究心などがある。
動因(欲求)によって、内発的動機づけが起こり、行動を持続させる。
誘因(incentive)とは、外部から行動を引き起こす要因のこと。インセンティブ。
餌や食事、報酬やトークン(引換券)などがある。
誘因(インセンティブ)によって、外発的動機づけが起こり、行動を持続させる。
食欲と、餌や食事との違いは微妙なところだが、餌や食事(誘因)が目の前にあっても、食欲(動因)がなければ、実際には食べようとしないことが言えるだろう。
逆に、食欲(動因)がある程度満たされているように感じても、デザート(誘因)を見ると、食欲が増加するかもしれない。
接近-接近の葛藤(誘因が多ければいいとは限らない)
2つの目標(誘因)が、ほぼ同程度の魅力を持つ場合に、どちらにしようか迷って、行動を起こせなくなる。
これを、接近-接近の葛藤(接近-接近型)と呼ぶ。
このように、目標(誘因)が多ければ多いほどいい、とは限らないわけである。
マズローの欲求5段階説(欲求階層説・自己実現理論)
マズローの欲求5段階説(欲求階層説・自己実現理論)では、内部から行動を引き起こす動因(欲求)を扱っている。
高次な欲求(動因)から順に、以下のようになっている。
- 自己実現の欲求(Self-actualization needs)・・・創造性
- 承認・自尊の欲求(Esteem needs)・・・承認欲求、自尊心
- 愛情・所属の欲求(Love/belonging needs)・・・社会的欲求
- 安全・安定の欲求(Safety needs)・・・身体的安全性、心理的安全性
- 生理的欲求(Physiological needs)・・・生存本能、一次的欲求
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:MaslowsHierarchyOfNeeds.svg
参考
関連する心理学用語
動因低減説
人間性心理学
闘争・逃走反応(fight-or-flight response)
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