機能的固着とは
ものの機能(用途)に固着(固執)するあまり、そのほかの機能(用途)に気づかなくなる心理的傾向のこと。
発想が固定観念や先入観にとらわれてしまい、別の発想が浮かばなくなるのである。
これは、収束的思考から発散的思考への切り替えが困難であることを表している。
機能的固着は、認知バイアスの一種である。
収束的思考から発散的思考への切り替えを行うには、問題から離れて温める時間が必要になる。
これを、孵化効果と呼ぶ。
ロウソク問題
ドイツのカール・ドゥンカーによって行われた、機能的固着に関する問題・実験。
「ロウソク」1本、「マッチ」数本と、「押しピン(画鋲)」数個が「箱」に入れられてある。
「部屋の壁にロウソクを立てる」には、どうしたらいいだろうか。
ロウソク問題の答えについては、以下をご覧ください。
機能的固着とイノベーション
機能的固着は、収束的思考から発散的思考への切り替えるが困難なため、創造的思考(発想の転換)を発揮できないことである。
そのため、機能的固着はイノベーションの創出やクリエイティビティに妨げとなるものと言える。
自社・自分の機能(価値定義・存在意義)に固着(固執)することで、イノベーションのジレンマとなるわけである。
例えば、フィルム企業が、その化学力を生かして、化粧品の分野に進出できたのは、自社がフィルム企業であるという機能に固着しなかったからである。(どこのことを言っているかわかるだろうか?)
機能的固着(認知バイアス)への対策
機能的固着などの認知バイアスに対処するために、企業などでは批判的思考(クリティカル・シンキング)が取り入れられている。
また、そもそも自身の機能的固着の存在に気づくためには、自分の認知バイアスに気づくメタ認知が必要となる。
そのため、メタ認知を鍛えることなどを目的に、マインドフルネスを訓練することが広まっている。
参考
関連する心理学用語
認知心理学
認知バイアス
正常性バイアス
アンカリング(アンカリング効果)
自制心(セルフコントロール能力)
衝動性
問題解決
創造性
意思決定
第三世代の認知行動療法
マインドフルネス
ゲシュタルト
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