性格の類型論(タイプ論)と特性論とは
性格の類型論(類型説)とは、性格や人格(パーソナリティ)などを、いくつかの典型的な類型(タイプ)に分類する方法。
例えば、「あなたは魔法使いタイプ」と表現するのが類型論(類型説)である。
このように、個人の多様な側面を表現することはできず、カテゴリに当てはめて考える。
大雑把に分類することで、他人に説明しやすいなどのメリットがある。
一方で、個人をカテゴリに当てはめてしまうため、その中間の人物像を表現しきれないというデメリットがある。
これは、ステレオタイプにつながる危うさを持っている。
性格の特性論(特性説)とは、性格や人格(パーソナリティ)などを、いくつかの主要な特性(因子)の組み合わせで表現する方法。
例えば、「あなたは攻撃力59/防御力37/魔力84」と表現するのが特性論(特性説)である。
「魔法使いタイプ」でも、意外と攻撃力があることがわかるだろう。
このように、個人をカテゴリに分類するのではなく、いくつかのパラメータ(因子)の数値で詳細に表現する。
主要なパラメータ(因子)を数値化することで、個人の多様な側面を、把握しやすいというメリットがある。
一方で、細かな数値の組み合わせで表現されるため、他人に説明しにくいというデメリットがある。
このため、インターネットなどでは、わかりにく特性論(特性説)ではなく、わかりやすい類型論(類型説)の心理テストがよく見られる。
類型論と特性論の違い
以下は、類型論(類型説)と特性論(特性説)の違いについて比較したもの。
項目 | 類型論 | 特性論 |
---|---|---|
概要 | カテゴリ型 (ステレオタイプ型) | パラメータ型 (レーダーチャート型) |
発展 | 主にヨーロッパで発展 | 主にアメリカで発展 |
イメージ | あなたは魔法使いタイプ | あなたは攻撃力59/防御力37/魔力84 |
メリット | 他人に説明しやすい 直感的にわかりやすい | 詳細な人物把握 中間の人物像も表現できる |
デメリット | 大雑把な人物把握 中間の人物像を表現できない | 他人に説明しにくい 直感的にわかりにくい |
代表的な理論 | ユングの類型論(内向-外向タイプ論) クレッチマーの性格類型論(体格タイプ論) シェルドンの性格類型論(体格タイプ論) シュプランガーの価値類型論(価値タイプ論) | オールポートの特性論(語彙仮説) アイゼンクの特性論(4層構造モデル) ビッグファイブ理論(特性5因子モデル) |
類型論と特性論のまとめ(一覧)
以下は、性格や人格(パーソナリティ)の、類型論(タイプ論)と特性論を一覧にまとめたもの。
分類 | 理論 | 概要 | 備考 |
---|---|---|---|
類型論 | ユングの類型論 | 内向-外向 | 2態度・4機能 |
類型論 | クレッチマーの類型論 | 体格(病理) | 3気質 |
類型論 | シェルドンの類型論 | 体格(胚葉) | 3気質 |
類型論 | シュプランガーの類型論 | 価値観 | 6価値 |
特性論 | オールポートの特性論 | 共通特性・個人特性 | 語彙仮説(辞書仮説) |
特性論 | アイゼンクの特性論 | 4層構造 | 2次元(MPI)/3次元(EPI) |
特性論 | ビッグファイブ理論 | 特性5因子モデル | 5因子(Big5) |
参考
関連する心理学用語
心理テスト
認知バイアス
ステレオタイプ
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