ユングの類型論(タイプ論)とは
性格や人格(パーソナリティ)を、2つの態度と4つの機能、合計8つの類型(タイプ)に分類したもの。
スイスのカール・グスタフ・ユングによって提唱された。
なお、パラメータ(因子)の組み合わせで表現する特性論とは異なり、カテゴリ(タイプ)に分類するのが類型論(タイプ論)である。
ユングの類型論(タイプ論)は、以下の3つの軸で表現されている。
- 内向-外向(一般的態度)
- 思考-感情(合理機能)
- 感覚-直観(非合理機能)
内向-外向の態度については、リビドー(心的エネルギー)の向い方向による違いである。
2つの態度と4つの機能の組み合わせにより、合計8つの類型(タイプ)で性格診断などにも用いられる。
- 内向的思考タイプ・・・例えば、哲学者
- 外向的思考タイプ・・・例えば、研究者
- 内向的感情タイプ・・・例えば、瞑想家
- 外向的感情タイプ・・・例えば、演説家
- 内向的感覚タイプ・・・例えば、夢想家
- 外向的感覚タイプ・・・例えば、職人
- 内向的直観タイプ・・・例えば、芸術家
- 外向的直観タイプ・・・例えば、発明家
4つの機能は、いずれかの機能(優越機能)が意識に現れており、対極となる機能(劣等機能)は無意識に追いやられている。
以下は、カール・グスタフ・ユングによる著作『タイプ論』。
以下は、ユング心理学の8つの性格についての解説書。
以下の図は、ユングの類型論(タイプ論)を提唱したカール・グスタフ・ユング。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:ETH-BIB-Jung,Carl_Gustav(1875-1961)-Portrait-Portr_14163_(cropped).tif
ユングの自己実現(個性化)
ユングは、この無意識を意識化し、自己に統合する個性化が、自己実現につながるとしている。
そのためにも、自分の類型(タイプ)を知ることが必要となるのである。
MBTI(マイヤーズ・ブリッグスタイプ指標)
ユングの類型論(タイプ論)を発展させたMBTI(マイヤーズ・ブリッグスタイプ指標)が開発されている。
ユングの類型論(タイプ論)は8類型(タイプ)だが、MBTIは16類型(タイプ)に分類される。
ただし、批判されることが多いようである。
類型論と特性論のまとめ(一覧)
以下は、性格や人格(パーソナリティ)の、類型論(タイプ論)と特性論を一覧にまとめたもの。
分類 | 理論 | 概要 | 備考 |
---|---|---|---|
類型論 | ユングの類型論 | 内向-外向 | 2態度・4機能 |
類型論 | クレッチマーの類型論 | 体格(病理) | 3気質 |
類型論 | シェルドンの類型論 | 体格(胚葉) | 3気質 |
類型論 | シュプランガーの類型論 | 価値観 | 6価値 |
特性論 | オールポートの特性論 | 共通特性・個人特性 | 語彙仮説(辞書仮説) |
特性論 | アイゼンクの特性論 | 4層構造 | 2次元(MPI)/3次元(EPI) |
特性論 | ビッグファイブ理論 | 特性5因子モデル | 5因子(Big5) |
参考
関連する心理学用語
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認知バイアス
ステレオタイプ
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