アイゼンクの特性論とは
性格や人格(パーソナリティ)を、内向性-外向性と神経症傾向の2次元、もしくは精神病傾向を加えた3次元で表現したもの。
ドイツのハンス・アイゼンクによって提唱された。
なお、カテゴリ(タイプ)に分類する類型論(タイプ論)とは異なり、パラメータ(因子)の組み合わせで表現するのが特性論である。
アイゼンクの特性論は、以下の2〜3つの特性(因子)に分けて考える。
- 向性(内向性-外向性)
- 神経症傾向(安定-不安定)
- 精神病傾向
内向性-外向性と神経症傾向の、2つの特性(因子)によって診断される心理テスト(質問紙法)として、モーズレイ性格検査(MPI)がある。
精神病傾向を加えた、3つの特性(因子)によって診断される心理テスト(質問紙法)として、アイゼンク性格検査(EPI)がある。
アイゼンクは、特性の水準を経由して、類型(タイプ)の水準に至るとして、類型論と特性論を統合しようとした。(4層構造モデル)
- 特殊反応(個別の行動傾向)
- 習慣反応(集積された行動傾向)
- 特性(性格因子)
- 類型(性格分類)
以下の図は、アイゼンクの特性論を提唱したハンス・アイゼンク。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Hans.Eysenck.jpg
類型論と特性論のまとめ(一覧)
以下は、性格や人格(パーソナリティ)の、類型論(タイプ論)と特性論を一覧にまとめたもの。
分類 | 理論 | 概要 | 備考 |
---|---|---|---|
類型論 | ユングの類型論 | 内向-外向 | 2態度・4機能 |
類型論 | クレッチマーの類型論 | 体格(病理) | 3気質 |
類型論 | シェルドンの類型論 | 体格(胚葉) | 3気質 |
類型論 | シュプランガーの類型論 | 価値観 | 6価値 |
特性論 | オールポートの特性論 | 共通特性・個人特性 | 語彙仮説(辞書仮説) |
特性論 | アイゼンクの特性論 | 4層構造 | 2次元(MPI)/3次元(EPI) |
特性論 | ビッグファイブ理論 | 特性5因子モデル | 5因子(Big5) |
参考
関連する心理学用語
行動療法
心理テスト
認知バイアス
ステレオタイプ
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