防衛機制とは
欲求不満(フラストレーション)や葛藤から自己を守るために、抵抗しようとする心理メカニズム。
精神分析的に言えば、イド(エス)から自我(エゴ)を守るために、抵抗しようとする心理メカニズム。
ストレスを心理的に解消する心の安全装置だが、直接的な解決にはならないことが多い。
ドイツのジークムント・フロイトによって考え出され、その娘のアンナ・フロイトによって整理された。
欲求不満(フラストレーション)から、自己を守るための適応機制の一種である。
適応機制は、防衛機制とほぼ同じ意味で使われることもある。
フロイトによる防衛機制
以下は、アンナ・フロイトによる、10種類の防衛機制。
防衛機制 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
退行 | 受け入れがたい感情から、幼少期の精神状態に逆戻りする 例)赤ちゃん返りで、好きな人(親)の気を引く | 子ども返り 赤ちゃん返り |
抑圧 | 受け入れがたい感情を、意識から無意識の世界に押しやる 例)嫌なことを忘れる | ヒステリー ↔︎解離 →反動形成 →抑制 |
反動形成 | 受け入れがたい感情(本心)とは、反対に振る舞う 例)嫌いな人に丁寧に接する、好きな人に素っ気なく振る舞う | 強迫神経症 ←抑圧 |
隔離(分離) | 受け入れがたい感情を、思考・行為から切り離す 例)親しい人が亡くなっても、涙が出てこない | 強迫神経症 →解離 →打ち消し |
打ち消し(取り消し) | 過去の思考・行為によって生じる感情を、反対の思考・行為で打ち消す 例)人を非難したあと、機嫌を取る | 強迫神経症 ←隔離 |
投影(投射) | 受け入れがたい自分の感情を、他人に押し付ける 例)自分が嫌っているのに、他人が自分を嫌っていると思い込む | 妄想(パラノイア) ←否認 ↔︎取り入れ |
取り入れ(摂取) | 他人の属性(感情、価値観など)を自分のものにする 例)好きな人の行動を模倣する | うつ病(喪失体験) →同一視 ↔︎投影 |
自己への向き換え (自虐) | 相手に向けている感情を、自分自身に向ける 例)他人への怒りを、自分に向き換える | |
転倒(逆転) | 受け入れがたい感情と、反対の感情に変わる 例)好きな人とうまくいかないと、嫌いになる | |
昇華 | 反社会的行動を、社会的行動に転換する 例)嫌いな人(親)への反抗心から、勉強や仕事を頑張る | ←補償 |
そのほかの防衛機制
以下は、そのほかの代表的な防衛機制。
参考
関連する心理学用語
精神分析
認知バイアス
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