錯視(錯視画像まとめ)

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錯視(目の錯覚)とは

視覚において、実際のものとは異なるものとして知覚されること。

人は、網膜像をそのまま知覚しているのではなく、脳内で解釈・推論などによって修正されている。

物理的には正しいデザインでも、錯視によっておかしく見えてしまうことがあるため、錯視を考慮してデザインすることもある。

錯視には、形の錯視(幾何学的錯視)、色の錯視、運動の錯視などがある。


反転図形・多義図形(ルビンの壺など)については、以下をご覧ください。


形の錯視(幾何学的錯視)

大きさ、方向、湾曲などの形に関わる錯視である。


以下は、形の錯視(幾何学的錯視)の例。


ミュラー・リヤー錯視(大きさの錯視)

線の両端に矢印(<ー>)を描くと、線が短く見える。

線の両端に矢印の逆向き(>ー<)を描くと、線が長く見える。

実際には、どちらも同じ長さの線である。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:M%C3%BCller-Lyer_illusion.svg


詳しい説明(解説)は、以下をご覧ください。


ポンゾ錯視(大きさの錯視)

三角形のような斜めの線があるとき、横向きの二つの線は上に行くほど長く見える。

実際には、どちらも同じ長さの線である。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Rectas_paralelas.jpg


詳しい説明(解説)は、以下をご覧ください。


ザンダー錯視(大きさの錯視)

大きさの異なる平行四辺形において、対角線の長さが違って見える。

左側の平行四辺形の対角線のほうが、右側の平行四辺形の対角線より長く見える。

実際には、どちらも同じ長さの線である。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Sander_Illusion.svg



ツェルナー錯視(方向の錯視)

長い線はすべて並行であるが、斜めに描かれた短い線によって、実際よりも傾いているように見える。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Z%C3%B6llner_vert.svg



ポゲンドルフ錯視(方向の錯視)

直線の一部がさえぎられて見えないとき、線は直線ではなく、少しずれて見える。

以下の図で、左の画像を見ると、黒い線とつながっているのは青い線に見える。

しかし、右の画像を見るとわかる通り、黒い線は赤い線とつながっている。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Poggendorff_illusion.svg



ヘリング錯視(湾曲の錯視)

縦向きの二つの並行した線は、実際には直線であるが、背景の線によって凸レンズのように湾曲して見える。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Hering_illusion.svg



ヴント錯視(湾曲の錯視)

ヘリング錯視の逆バージョンで、縦向きの二つの直線が、背景の線によって凹レンズのように湾曲して見える。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Wundt_illusion.svg



カフェウォール錯視(方向の錯視)

白い四角形と黒い四角形を少しずらして交互に並べると、横方向の境界線が傾いて見える。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Caf%C3%A9_Wall_Illusion.svg



ジャストロー錯視(大きさの錯視)

扇型を二つ並べると、外側(A)よりも内側(B)のほうが大きく見える。

実際には、どちらも同じ大きさの扇型である。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Jastrow_illusion.svg



デルブーフ錯視(大きさの錯視)

左図のように、黒丸に大きい同心円を描くと、黒丸はより小さく見える。

右図のように、黒丸に小さい同心円を描くと、黒丸はより大きく見える。

実際には、どちらも同じ大きさの丸である。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Delboeuf_illusion.svg



エビングハウス錯視(大きさの錯視)

左図のように、中心(オレンジ色)の丸の周囲に大きい丸を配置すると、中心の丸はより小さく見える。

右図のように、中心(オレンジ色)の丸の周囲に小さい丸を配置すると、中心の丸はより大きく見える。

実際には、どちらも同じ大きさの丸である。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Mond-vergleich.svg



反転図形・多義図形による錯視

反転図形・多義図形錯視とされることがある。

遠近などの反転に関わる錯視である。


以下は、反転図形・多義図形による錯視の例。


ネッカーの立方体(反転の錯視)

前面の線と後面の線がどちらも見えているため、どちらが前かわからない。(左図)

そのため、点線のような二つの見方ができるようになっている。(右二つ)

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Necker_cube.jpg
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Cube1.PNG
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Cube2.PNG



マッハの本(反転の錯視)

遠近感が不明のため、本が手前に折れているのか、奥に折れているのかがわからない。

本が手前に折れている場合は、カバー(表紙)が見えており、読む人が奥にいることになる。

本が奥に折れている場合は、中身(文章)が見えており、読む人が手前にいることになる。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:SimpleIsomIllusion.png



シュレーダーの階段(反転の錯視)

A面が手前、B面が奥だとすると、右下から左上に上がる階段のように見える。

A面が奥、B面が手前だとすると、階段が天井に逆さまについているかのように見える。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Schroeder%27s_stairs.svg



不可能図形・矛盾図形・逆理図形による錯視

不可能図形・矛盾図形・逆理図形錯視とされることがある。

2次元で描くことはできても、3次元の現実では不可能な図形による錯視である。


以下は、不可能図形・矛盾図形・逆理図形による錯視の例。


不可能の立方体(不可能の錯視)

反転図形の両方の要素が含まれているため、現実(3次元)には不可能である。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Impossible_cube.jpg


エッシャーの『物見の塔』については、以下をご覧ください。


ペンローズの三角形(不可能の錯視)

立体の影になるところが立体の前面にもなっているため、現実(3次元)には不可能である。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Penrose-dreieck.svg


詳しい説明(解説)は、以下をご覧ください。


ペンローズの階段(不可能の錯視)

ずっと上り続ける(下り続ける)階段になっているため、現実(3次元)には不可能である。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Impossible_staircase.svg


エッシャーの『上昇と下降』については、以下をご覧ください。


エッシャーの滝(不可能の錯視)

ずっと流れ続ける水路になっているため、現実(3次元)には不可能である。

https://www.flickr.com/photos/pedrosimoes7/27317650789



ブリヴェット・悪魔のフォーク(不可能の錯視)

円柱が途中で角柱に変わっており、図(ず)と地(じ)にもずれが生じているため、現実(3次元)には不可能である。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Poiuyt.svg



色の錯視・明るさの錯視

色、明るさに関わる錯視である。


以下は、色・明るさの錯視の例。


ハーマングリッド・ヘルマン格子錯視(色・明るさの錯視)

格子状の図形で、白線の交差部分に黒い影が見える。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:HermannGrid.svg


チェッカーシャドウ錯視(色・明るさの錯視)

円柱の影になっていないタイル(A)は、より黒く見える。

円柱の影になっているタイル(B)は、より白く見える。

実際には、どちらも同じ色・明るさのタイルである。(右図)

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Checkershadow_double_med.jpg


運動の錯視

静止画なのに動いて見える錯視である。


以下は、運動の錯視の例。


蛇の回転(運動の錯視)

蛇がトグロを巻いたような図形が勝手に動いているように見える。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Optical_Illusion_(67183712).jpg


そのほか

そのほかにも一般的に知られている錯視がある。


月の錯視

月が空高くあるときよりも、地平線や水平線に近くあるときのほうが大きく見える。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Moon_size_illusion.png



スピニング・ダンサー(シルエット錯視)

動画のシルエット錯視。

シルエットを見ただけでは、右回りに回転しているのか、左回りに回転しているのかわからない。

軸足が右足だとすると、上から見下ろして左回り(反時計回り)に回転しているように見える。

軸足が左足だとすると、上から見下ろして右回り(時計回り)に回転しているように見える。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Spinning_Dancer.gif


よりわかりやすい説明(動画)は、以下をご覧ください。


彼は行くのか?来るのか?(シルエット錯視)

静止画のシルエット錯視。

シルエットを見ただけでは、向こうに向かっているのか、こちらに近づいているのかがわからない。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Is_he_going_or_coming%3F_To_the_ball_park_he_wends_his_way_to_see_the_game_on_%22bloomer_day.%22_LCCN2008677281.jpg



参考



関連する心理学用語

反転図形・多義図形(ルビンの壺など)

不可能図形・矛盾図形・逆理図形

ゲシュタルト

ミュラー・リヤー錯視(ミュラー・リヤーの図形)

ポンゾ錯視(ポンゾの図形)

ザンダー錯視(ザンダーの図形)

ツェルナー錯視(ツェルナーの図形)

ポゲンドルフ錯視(ポゲンドルフの図形)

ヘリング錯視(ヘリングの図形)

ヴント錯視(ヴントの図形)

カフェウォール錯視(カフェウォール図形)

ジャストロー錯視(ジャストローの図形)

デルブーフ錯視(デルブーフの図形)

エビングハウス錯視(エビングハウス錯視図形)

ネッカーの立方体(ネッカーキューブ)

マッハの本

シュレーダーの階段

不可能の立方体(エッシャーの『物見の塔』)

ペンローズの三角形(ペンローズの多角形)

ペンローズの階段(エッシャーの『上昇と下降』)

エッシャーの滝

ブリヴェット(悪魔のフォーク・不可能フォーク)

ハーマングリッド(ヘルマン格子錯視)

チェッカーシャドウ錯視

月の錯視(天体錯視)

シルエット錯視(スピニング・ダンサーなど)


記述には慎重を期しておりますが、万一誤りや誤解を与えるような内容がありましたら、下部のコメントからご連絡いただけると助かります。

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