内部感覚条件づけとは
不安・恐怖などによって生じる身体症状に対しても、同じ感情を感じるように条件づけ(学習)されること。
原因となるきっかけがなくとも、感情がどんどん増大していく悪循環に陥る。
このような感情を、弁証法的行動療法(DBT)では、圧倒されるような感情と呼ぶ。
内部感覚条件づけは、森田療法で言う精神交互作用が生じる理由でもある。
例えば、動悸への内部感覚条件づけが進むと、少しの不安を感じただけで単なる動悸で終わらずに、パニック発作に至る。
例えば、息苦しさへの内部感覚条件づけが進むと、少しの不安を感じただけで単なる息苦しさで終わらずに、過呼吸に至る。
例えば、吐き気への内部感覚条件づけが進むと、少しの不安を感じただけで単なる吐き気で終わらずに、嘔吐発作に至る。
身体症状は、闘争・逃走反応(fight-or-flight response)などの防衛反応によって生じる正常なストレス反応であり、本来は恐れる必要はない。交感神経系などの自律神経系によって反射的に生じる。
内部感覚条件づけの消去
内部感覚条件づけは、生体外の刺激(外受容感覚)ではなく、生体内の刺激(内受容感覚)によって起こるレスポンデント条件づけ・古典的条件づけだと考えられる。
内部感覚条件づけの消去(抑制)には、内部感覚(内受容感覚)への暴露(エクスポージャー)が求められるが、それには外的行動ではなく、身体内部に意識を向ける必要がある。
参考
関連する心理学用語
闘争・逃走反応(fight-or-flight response)
パニック障害
不安障害(不安症)
新行動主義
S-O-R理論
徹底的行動主義
S-R-S理論
第三世代の認知行動療法
マインドフルネス
弁証法的行動療法(DBT)
森田療法
精神交互作用
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