症状と兆候の違い(自分で気づくか、人に気づいてもらうか)

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症状とは、自分で気づいているもの

症状とは、クライエントが訴える事象のことで、主観的で曖昧なものです。

自覚しやすいものとしては、怪我などの外傷、湿疹やかゆみなど体の表面に出る症状、パニックなどの発作などが挙げられます。

逆に自覚しにくいものとしては、頭痛や腹痛など他人と比較が難しい痛みのレベル、睡眠の質や呼吸の質など数値化が難しいものは、疲れているだけと思い込みやすくなります。


兆候とは、自分で気づいていないもの

兆候とは、カウンセラーなど第三者によって観察できる事象のことで、客観的である程度明確なものです。

カウンセリングであれば、クライエントの認知の歪みや問題行動に気づくことがありますが、気づくのは心の問題だけではありません。

生活習慣の異常による清潔感や見た目の乱れ、消化不良や睡眠不足による顔色不良、せきや飲み込みなどの呼吸の乱れなど身体面や健康面に気づくことがあります。


気づくための2つの方法

どんな人も自覚できている症状もあれば、自覚できていない兆候もあります。

一方で、気づくのがうまい人と気づくのが下手な人がいるのも事実です。


それでは、気づくためにはどうしたらいいかというと、人に気づいてもらうか、自分で気づくかの2つの方法に大きく分けられます。


人に気づいてもらうには

これは人に聞くしかありませんね。気づいてるなら教えてくれよと思うかもしれませんが、聞く姿勢があるかどうかわからない人に、ズケズケと問題を指摘するのは勇気がいるものです。

逆に、人に聞くのも勇気が入りますが、人の意見を聞こうとする姿勢が伝われば、聞かなくても教えてくれるものです。


人に聞くことがすでに難しい状態であれば、カウンセリングを受けるのも一つの手です。

人に助けを求めることが弱いことのように思われる人がいますが、人に助けを求められる人が本当に強い人です。

利害関係のない第三者であれば恥ずかしがる必要はありません。


自分で気づくためには

これはある程度の訓練が必要です。いきなりは難しいですが、ずっとカウンセリングを受けるわけにはいかないでしょうから、いずれは身につける必要があります。

気づきのことを英語でマインドフルネスと言うのですが、瞑想のことを欧米の科学者が研究して効果が示されている方法です。


いろんなやり方がありますが、呼吸に意識を集中するやり方が簡単です。

床や椅子に座って、目は閉じるか半眼がいいでしょう。「疲れたな」と思ったら呼吸に意識を戻す、「痛いな」と思ったら呼吸に意識を戻す、それを繰り返していると、自分の本当の五感に気づいてきます。


「疲れたな」や「痛いな」という思考は脳が判断したものです。実際の痛みのレベルや疲れの原因は、思考ではなく五感で気づくものです。

呼吸に意識を集中していると、思考よりも五感が優位になります。

疲れが目から来ているのか、肩から来ているのか、そこは温かい感じなのか、冷たい感じなのか、リラックスが必要なのか、リフレッシュが必要かなどに気づいていきます。

現実をあるがままに体験することです。思考は現実ではありません。


もう一つ、対人関係・社会リズム療法などでも行いますが、自分の行動や習慣の記録し、時間や数値化をすることも、自分を客観視するというために有効です。

書き出すことで、思考を現実として見ることができます。

日記などが健康管理に有効だと言われる理由です。


すべてのはじまりは気づきから

どんな人も、気づいていないことには対処しようがありません。

だから、すべてのはじまりは気づきからだと言えます。


気づくために調べたり読書をする人もいるでしょう。一方で、調べたり読書することもまた思考です。

頭で理解したあとは、次の段階として体で理解していく必要があります。

人生や生活は、頭の中ではなく、目の前の現実で起こることだからです。

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