相手を理解する傾聴コミュニケーションの3ステップ

傾聴とは

カウンセラーの行う傾聴とは、普通に話を聞くのとは違います。

では、何が違うのでしょうか。

よく言われるのは、「聞く」や「訊く」ではなく、「聴く」だということです。まずそこから見ていきましょう。

「訊く(ask)」

「訊く」は、たずねる、問う、答えを求める、取り調べる、などの意味があります。「名前を訊く」「道を訊く」などです。

相手に質問するという意味合いが強く、訊く側が能動的で、訊かれる側が受動的です。

「聞く(hear)」

「聞く」は、音や声を感じとる、その内容を知る、という意味があります。「雨の音を聞く」「講義を聞く」などです。

声が聞こえるという意味合いが強く、聞く側が受動的(受け身)で、話す側も能動的ではありません。

話し手と聞き手にはっきりした関係が成立していない場合が多く、聞き手にとって都合がよい部分だけを聞くという場合もあります。

「聴く(listen)」

「聴く」は、注意して耳に入れる、聴こうと努める、熱心に聴く、傾聴する、という意味があります。「音楽を聴く」「国民の声を聴く」などです。

積極的に聴くという意味合いが強く、聴く側は受動的かつ能動的で、話す側は能動的です。

一方通行ではなく相互作用的(インタラクティブ)で、聴き手が積極的な興味を示し、話し手を理解しようとし、聴き手と話し手が心理的な交流を行います。

傾聴コミュニケーションの3ステップ

それでは、実際に「聴く」にはどうすればいいでしょうか。

それには、カウンセリングの原型を作ったカール・ロジャーズの『来談者中心療法』が参考になります。相手を理解することを3ステップで考えます。

Step1. 相手についての情報を理解する

これは「訊く」のと似ています。

実際には質問しなくとも、質問に対する答えを当てはめていく感じです。

「年齢は30代なんだな、職業は会社員で、役職は部長と。学歴は大卒で、昔は野球をやっていた。技術系の資格を持っており、健康状態はあまり良くない。家族構成はパートナーと子一人。」などのようにです。

一見相手を理解しているように見えますが、本人や第三者から得られたデータでしかなく、客観的ではありますが、表面的な理解にとどまります。

Step2. 自分の感覚や準拠枠で相手を理解する

これは「聞く」のと似ています。

自分にとって都合のいいところだけを、自分の都合のよいように理解します。

「年齢は自分より下だろうか、職業はよくわからないが、役職は意外と高そうだ。学歴は大したことないかもしれないが、昔はスポーツを頑張ってた系だろう。今は技術的なオタクで、顔色が悪いから健康状態は良くないのだろう。家族構成は興味ないな。」などのようにです。

実際にはこれが一番多いコミュニケーションで、お互いにわかったつもりで会話しています。心の弱った人は、それがつらいと感じることもあるでしょう。

このような相手を理解するときの思い込みや決めつけのようなフィルターを準拠枠内的準拠枠などと言います。

Step3. 相手と共に理解する(共感)

これが「聴く」ことになります。

自分の思い込みや決めつけなどの準拠枠を外し、相手をデータとしてではなく感情を持った存在として寄り添い理解しようと努めることです。

「年齢は見た目より若く見られる、家庭の大黒柱だと思って働いている、なんとか部長になった。大学時代は楽しかったが、今は昔ほど運動できていない。技術は好きだが、部長になってから触れる機会も減り、なんとなくやる気が出ない。疲れてるのかな。でも、家族のために頑張らなくちゃと思う。」などのようにです。

人は簡単に理解できる存在ではありません。言葉や表情、動作だけでは理解できない部分も多くあります。それでも、相手を内面から理解しようと努めることが共感になります。(これが大変なのです。)

ここで「努める」と書いているのは、完全に理解することはできないという矛盾を包含するためです。それが、相手と共に理解しようとする姿勢であり、カウンセラーが客観的な視点を残すことができる理由でもあります。

共感的理解の先に

本当はさらに先の話もあります。共感的理解の上で、客観的な視点を活かすのですが、それはまた別のお話です。興味のある方は聴いてみてください。

カウンセリング
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