言葉の意味は一つでも、文章になると意味が変わる
辞書を引くと、言葉の意味がしっかりと定義されています。
赤と言って青を思い浮かべる人はいませんし、男と言って女と勘違いする人もいません。
それでも、人と人の会話は行き違うことがよくあります。
会話は単語だけでは成り立ちません。
文章として言葉の前後関係によって作られます。
「赤」と言ったら意味は一つですが、「赤い色」と言ったら赤にも微妙に違う様々な赤があることに気づきます。
他にも「炎の色」と言ったら赤を思い浮かべる人もいれば、青を思い浮かべる人もいるでしょう。
「炎」と「色」の意味は多くの人で一致しますが、「炎の色」と関係がつながった瞬間に人によって意味が変わるのです。
言葉の矛盾はいたるところにある
言葉の矛盾はいたるところにあります。
温かい体温のある人間も、時には冷たく感じる。
イライラして怒っている人が、どこか悲しそうに見える。
真面目でいつも正しくあろうとする人が、いつも同じ過ちを繰り返してしまう。
強そうに見える人が、実は弱さを抱えている。
他人に優しくできる人が、別の場では他人に八つ当たりしてしまう。
自信があるように見える人は、いつも自信がないと思っている。
緊張していないように見える人が、内面では緊張と戦っている。
強くあろうとするならば、自分の弱さを自覚する必要があります。
緊張しないためには、自分の緊張を押し殺そうとしてはいけません。
人に優しくありたいなら、優しくできない自分を無視してはいけません。
清く正しくありたいのなら、正しさに固執してはいけません。
自分に自信がある人は、いつまで経っても本当の自信は生まれません。
挫折を経験し、自信を喪失し、それを克服した経験が、本当の自信となるのです。
矛盾と闘うということは、自分と闘うということ
他人が理解できないと感じたり、なんでわかってくれないんだと思うのは、相手の言葉に矛盾を感じているから。
自分が自分でないように感じたり、生きづらく感じたりするのは、自分の思考に矛盾を感じているから。
自分のことは自分が一番わかっていません。
自分の言葉に一番振り回されている人は自分です。
そんな矛盾を抱えた自分と闘っても勝ち目はありません。
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