問題解決モードにも問題がある
人は常日頃から問題解決モードを働かせています。
仕事は問題の山ですし、家事も効率化が進んでいます。
問題を解決するのですから、一見万能なように思えますが、問題解決モードにも問題があります。
1点目は、批判的になってしまうという点です。
よくクリティカル・シンキング(批判的思考)などと言われますが、問題を解決すべき対象として見るため、どうしても批判的になります。
理想(To Be)と現状(As Is)を比較して、今ある現実を否定しています。
2点目は、過去と未来を対象とするという点です。言い換えると、現在(今ここ)を軽視しています。
過去に起きた問題を分析することだったり、未来に起こるであろう問題を予測することが行われるためです。
問題解決モードの間は、現在の問題の状況を把握できなくなります。
3点目は、世界が狭くなるという点です。
問題解決モードでは、その問題に関係する情報以外は必要ありません。
問題を解決しようとしている間は、他の問題を見つけられなくなります。
4点目は、経験から考えるという点です。
問題が起こった場面や問題が起こしてしまう結末、問題が起こる予兆などを自分の経験から再現して考えます。
問題を解決しようとするほど、嫌な記憶を何度も思い出してしまいます。
5点目は、問題解決モードの問題を解決できないという点です。
現状を批判せずに理想は考えられません。
考えている間に現在は過去のものとなります。
気づいたものすべてを考えることはできません。
考えるたびに記憶が強化されます。
考えれば考えるほど問題が大きくなります。
問題解決モードだけに依存していると、思考のループから抜け出せなくなります。
マインドフルネスモードは問題を解決しないから役立つ
以上に挙げた問題解決モードの5つの問題点は、心の病いや生きづらさなどを感じる人にも当てはまります。
否定的に物事を考え、心ここにあらずの状態になり、自分の状態に気づけず、嫌な記憶を思い出し、それを繰り返し味わってしまいます。
つまり、問題解決モードをやめれば、解決の糸口がつかめます。
それに役立つのが、マインドフルネスモードです。
マインドフルネスモードは、問題を解決できるような便利なものではありません。
それでも、マインドフルネスは問題を解決しようとしないから役立ちます。
頭で考えたりするのではなく、全身の感覚で感じるようにします。
考えても解決しないのですから、考える以外の全身を使います。
全身を使うと言っても、何もすることはなく、肌や呼吸などの感覚をただ感じるだけです。
頑張っても解決しないのですから、むしろ何もしないくらいが効果的です。
妙な罪悪感を感じたら、問題解決モードに入ろうとしている兆候です。
罪悪感を感じたことに対しても、否定や批判をする必要はありません。
別に問題解決モードが悪いわけではありません。
問題解決モードとマインドフルネスモードを切り替えながら使い分けることです。
息を吸ったら、息を吐きます。
呼吸の切り替えと同じです。
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