驚いたときの反応
驚いたとき、人は以下のような反応を見せます。
- 呼吸や鼓動などの身体感覚(自律神経)が活性化する
- それまでしていたことを停止する(手を止める、足を止める)
- 視覚や聴覚などの五感(知覚)が活性化する
- 背筋が伸び、首が伸び、観察しようとする姿勢になる
- 首や頭を回し、眼球を動かして、周囲を観察する
- 対象を観察し、過去の経験(学習)から判断する
一方で、トラウマ体験のある人は、こうした正常な驚き反応が起こらないようです。
例えば、呼吸や鼓動を必死に押さえ込もうとしていたり。
例えば、手足を止めることができずに、小刻みに動いていたり。
例えば、恐怖から目をそらしたり、耳をふさいでしまったり。
例えば、身をかがめて、猫背になり、下を向いていたり。
例えば、目だけキョロキョロと動いて、首や頭が動いていなかったり。
例えば、なんでも特定の経験(記憶)に結びつけて考えてしまったり。
こういうことがあるようでしたら、意識して最後まで驚きを表現してみてください。
身体で表現することで、トラウマを完了させる
トラウマ(心的外傷)によって、驚きを最後まで表現できないと、いつまでたっても身体は覚えています。
実際に、トラウマは(頭ではなく)身体に記憶されることがわかってきています。
あなたの身体の未完了のエネルギーを開放させてあげませんか?
それには、驚きを最後まで完了させましょう。
ただし、必ず安全な環境で行ってください。
お風呂などがいいでしょう。
なんでもいいので驚いてください
最初はあまり怖くないものに驚きましょう。
いつもそこにあるのに気づいていなかったもの。
くだらないと思わずに、好奇心を持って観察してみましょう。
何かに驚いたら、呼吸や心拍が早くなるのは普通のことです。
呼吸や鼓動を押さえつけていませんか?
その呼吸や鼓動をただ観察してみましょう。
呼吸や鼓動を観察したら、次に進みます。
何かに驚いたら、手足を止めるのは普通のことです。
必死に手足が動いていませんか?
両腕がただあることを感じ、両足がただあることを感じてみましょう。
手足の動きを止めたら、次に進みます。
何かに驚いたら、目を見張ったり、耳をそば立てたりすることは普通のことです。
目をそむけたり、耳を閉じたりしていませんか?
驚きの対象を、じっと見つめ、じっと聞いていることをイメージしてみましょう。
対象をよく観察したら、次に進みます。
何かに驚いたら、背筋を伸ばして、高い視点から見渡すのは普通のことです。
猫背になったり、下を向いていませんか?
驚きの対象を、高いところから見下ろしていることをイメージしてみましょう。
背筋を伸ばしたら、次に進みます。
何かに驚いたら、そちらを向くのは普通のことです。
体を向けずに、目だけで観察しようとしていませんか?
目だけでなく、身体全体で対象を観察するようにしましょう。
観察を追えたら、次に進みます。
何かに驚いたら、さまざまな過去の体験と結び付けられます。
特定の記憶とだけ結び付けていませんか?
楽しかった記憶、うまくいった記憶を思い出してみましょう。
自分の思いに気づいたら、行動に移します。
現実にきちんとリアクションしてあげる
私たちは現実に生きているようで、思考の世界で生きていることがあります。
今は存在していない恐怖をいつまでも反芻しては、繰り返し味わっています。
その間にも、短い人生の時間は過ぎ去っていきます。
そうならないように、現実にリアクションしてあげましょう。
人生は頭の中にはありません。目の前の現実にあります。
よくわからなかいところがあったら、カウンセリングで聞いてみてくださいね。
コメント