正しさや正解を追い求める日本人
正しくあろうとするのは、日本人に強くある傾向です。
正解を求める義務教育がそうした人々を増やしてきたというのもあるでしょう。
世間体やマナーを過剰に気にする日本人気質も影響しているかもしれません。
COVID-19で注目を浴びた自粛警察も、そんな日本人の典型のように思えます。
私たちは、絶えず間違いがないように、失敗がないように努力しながら、緊張しながら働き、生活しています。
それでも、人は間違う生き物です。
真面目な人ほど、少しでも間違いを減らそうと、わかりやすい法則や自己啓発などを探してしまいます。
国が宣言した緊急事態宣言も、自粛警察にとって正しくあるためのわかりやすい正義だったのかもしれません。
地図を使うか、地球儀を使うか
世の中にはすでに多くの道具や情報が溢れています。
これ以上新しいツールや法則を探し求めるのは効率的とは言えません。
それよりも、使い方を考えてみましょう。
地図も地球儀もどちらも正しいものですが、そこに描かれる世界は全く別物です。
一般的な地図は、メルカルト図法と呼ばれる長方形になっており、球体の地球を引き伸ばしているため、本当の地球の形はしていません。
(例えば、アフリカ大陸が実際よりも小さいように錯覚してしまいます。)
地球の本来の形である球体は、地球儀であれば正確です。
(実際には、アフリカ大陸がかなり大きいことがわかります。)
地球儀は縮尺の点では正確ですが、地図は地図で有用だから使われています。
より正しいのは地球儀であっても、長方形の地図を使った方が効率的なことがあります。
情報の正しさよりも、目的に対する正しさの方が大切だと言い換えることもできます。
これは、絵画のような遠近法と俯瞰図や設計図の違いでも言えることです。
目的や前提の異なる会話は、いくら同じ言葉を使っていても、いつまで経っても平行線のままです。
正しさは一つではありません。
目的によって正しさは変わります。
人によって正しさは変わります。
「どれが正しいか?」よりも、「どれが有用か?」「どれが効果的か?」を考えてみてください。
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