脳が正しいと判断しているから問題が続く
誰もが頑張っているのに、悪い結果になる人がいます。
たくさん学んでいるのに、うまくいかない人がいます。
正しいと信じた道を進んでいるのに、問題が続く人がいます。
ずっと正しいと思うことを続けてうまくいかないと、ふっと思うことがあります。
「自分の何が間違っていたのだろうか。」
脳は頑張って判断しながら、学びながら、よりよく生きようと努力しています。
一方で、心の病いに苦しむ人や生きづらさを感じる人は、脳の正しさのせいで問題が続きます。
脳の判断する「正しさ」の言いなりになってはいけません。
どんな悪い結果になろうとも、脳が正しいと判断した通りに行動していると、脳がエラーを起こした際に、問題を止められなくなります。
人間はAIよりも判断を誤る
AIの認識能力は、すでに人間の認識能力を超えています。
映像から対象物を認識する精度もそうですし、囲碁や将棋などゲームの最善手を読む精度もそうです。
そのAIですら結構な割合でミスをするのですが、人間はもっと多くのミスをします。
気づいてないのは本人だけです。だって、脳は「正しい」と思って判断しているのですから。
例えば、人間は犬と狼を間違えたり、豚と猪を間違えることがあります。
犬なら「待ってー」と追いかければいいですが、狼なら「逃げろ!」と自分に叫ばなくてはなりません。
豚なら「可愛いー」と近づけばいいですが、猪なら「怖い!」と後ずさりしなくてはなりません。
AIと同じ画像認識テストを行うと、人間の誤り率は5%を超えています。
つまり20回に1回は人間の脳は誤った判断をしています。
もっと複雑なビジネス判断やコミュニケーション(会話、共感など)で判断を誤るのも当然です。
しかも、AIも人間も間違うのはいつも同じところ。
脳は24時間ずっと一瞬一瞬の判断を行っています。
多少間違うのは仕方のないことです。
もし狼に襲われたことがあったら、犬を見ても咄嗟に逃げようとするでしょう。
もし猪に突進されたことがあったら、豚を見ても咄嗟に後ずさりするでしょう。
これは脳にとって、自分を守るために「正しい」行動なのです。
脳の防衛反応のために、トラウマが生まれてしまうのですが。
問題が続くなら、正しさを捨ててみる
犬か狼か、豚か猪かを判断せずに、ただ対象を観察してみる。
正確に犬か狼か、豚か猪かを判断しようとすると、脳が勝手に逃走行動や闘争行動を起こしてしまいます。
そうではなく、判断しようとせずに、ただ対象をあるがままに観察してみる。
これがマインドフルネスです。
そのためには、逃走反応や闘争反応をやめ、逆にじっーと相対する必要があります。
正しいと思って続けてきた行動であっても、うまくいかないなら逆の行動をとってみる必要があります。
恐怖を感じたとしても、いつもの正しい行動をしていたら、どうせ同じ結果が待っているのです。
これが解決志向型アプローチ(ソリューション・フォカースト・アプローチ)です。
脳の「正しいか間違っているか」の判断はよく間違い(エラー)を起こします。
脳の「正しさ」の判断通りに行動するから、いつも間違ってしまうのです。
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