不安への対処(不安を受け入れる)

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不安と恐怖、逃避と回避

恐怖は、脅威となる対象が現実に存在しているときに生じる感情です。

不安は、脅威となる対象が現実には存在しないときに生じる感情です。

つまり、不安を感じたそのときに、実際は不安の対象は存在しないということです。


恐怖に対して、脅威となる対象を確認して逃げようとすることを逃避と呼びます。

不安に対して、脅威となる対象をあらかじめ避けようとすることを回避と呼びます。

その瞬間には存在しない不安の対象を、常に避けようとしていないでしょうか


不安を回避して、安全を確保しようとしてはいけない

不安を回避しようと何かしていると、短期的には不安を解消することができます。

一方で、長期的には存在しない不安の対象に絶えずビクビクすることになり、逆に不安が増大していく結果となります。

つまり、不安を本当の意味で克服するには、不安を避けるのではなく、不安をじっくりと味わう必要があるのです。


そもそも、不安は危険を避けようとする生存本能です。

もし不安がなくなってしまうと、人は脅威に対して突っ込んで行ってしまうことになります。

ただ、頑張り屋さんの「不安くん」を遠ざけていることが問題なのです。


かけがえのない不安という感情を味方につけるには、不安を受け入れてあげる必要があります。

たまには不安を浴びてみて、本当に危険かどうか確認してみましょう。

逆に、不安を嫌って安全を確保しようとすると、本当に危険かどうか確認する機会が失われてしまいます


不安の対象をよく観察してみる

不安を感じている脅威の対象は、本当にそんなに危険なものでしょうか。

観察するのも怖いと思いますが、観察するだけなら危険はありません

少しずつ不安対象を観察する時間を持ってみましょう。


不安を観察するのが怖いなら、呼吸などの身体感覚を観察してみてもいいでしょう。

体がこわばっているようであれば、逆に一度力んでみて、その後の筋肉の弛緩を感じてみます。

そうやって、できるだけリラックスた状態で、不安に注意を向けるようにします。


安全装置(安全弁)を探してみる

一見危ないように見えても、安全装置が備わっていることがほとんどです。

他人はあなたが気にしていることなどすぐに忘れてしまいます。

高いところには柵や手すりがあります。


そういった安全装置があれば、あなたが安全を確保する必要はありません。

「なんとかなる」からです。

そう思えるように、不安対象を観察しながら、安全装置を探してみましょう。


不安と友達になる

誰もが不安を抱えながら生きています。不安のない人などいません。

不安と戦っても勝ち目はありません。かつて不安を克服した人などいないからです。

そうであれば、不安を味方につけてしまいましょう。


不安を克服するには、不安があっても安心できる安全地帯が必要となります。

それがカウンセリングの場であるとも言えます。

困りごとがありましたら、なんでも構いませんのでご相談ください。



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