遅延反応とは
刺激が消失してからしばらく時間が経っても、消失した刺激に対して反応できること。
このように、時間や空間などの離れた刺激に対して反応することを間接化と呼ぶ。
記憶や言語などの高次の心的能力が働いていると考えられる。
食物(フード)や虫刺されによる遅延型反応(遅延型アレルギー)とは別のもの。
遅延反応と象徴機能(シンボル機能)
遅延反応が可能な時間の長さを測定する実験(遅延反応テスト)によって、動物や人間の知能を推測することができる。(比較心理学)
例えば、犬などの動物は、自身の姿勢などの外的シンボルで間接化することで、「よし」の号令と共に目標に向かって走り出すことができる。
例えば、人間は、口ずさむことなどで外的シンボルを活用することもできるが、記憶や言語などの内的シンボルを用いた間接化能力に秀でている。
このように、遅延反応には、象徴機能(シンボル機能)が大きく関係していると考えられる。
遅延反応とワーキングメモリ(作業記録)
遅延反応の実験・テストは、脳のワーキングメモリ(作業記録)の能力を間接的に測定していると考えられる。
遅延反応テストは発達障害のテストに用いられることもある。
遅延反応の実験によって、オペラント条件づけ・道具的条件づけでは、できるだけすぐに強化子(好子・報酬刺激)を与えたほうが効果が高いことがわかっている。(即時強化の原則)
反射的行動の起こる外的な刺激がなくても準備反応(遅延反応)が行われることがある。(レスポンデント条件づけ・古典的条件づけ)
例えば、梅干しを想像しただけでヨダレが出る、思い出し笑い、トラウマのフラッシュバックなどである。
行動が行われてから、報酬などの刺激(強化子)が得られるまでの時間がかかっても反応形成(遅延反応)が行われることがある。(オペラント条件づけ・道具的条件づけ)
例えば、子供が言うことを聞くようになる、旅行を楽しみに頑張るなどである。
これらの間接化は、人間の持つ高次の心的能力のなせる技である。
参考
関連する心理学用語
間接化
ワーキングメモリ(作動記憶)
発達障害
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