原始反射とは
人間の新生児・乳児などの育成初期にのみ見られる反射的行動で、成長(発達)とともに失われていく。
新生児・乳児に原始反射が見られないことも問題となるが、原始反射が強すぎたり、いつまでも原始反射が消えないことも発達上の問題(発達障害など)になることがある。
原始反射には、以下のようなものがある。
原始反射 | 刺激 | 反応 | 備考 |
---|---|---|---|
モロー反射 (モロ反射・抱きつき反射) | 大きな音、 バランスの崩れ、 など | 手足を広げたあと抱きつく (驚愕反射) | 寝かしつけで抱っこから降ろしたときによく見られる おくるみやスリングに入れて抑えたりする |
歩行反射(自動歩行・足踏み反射) | 平面に足が触れる | 歩くように足を動かす | 両脇などを持って体を支えながら行う |
乳探し反射(口唇探索反射) | 指や乳首などの突起物 | 頬や口で探すように首を動かす | 吸啜反射の前行動として行われる |
吸啜反射 (吸引反射・吸いつき反射) | 口に含んだもの | 乳を吸うように規則的に口を動かす | 母乳を出す母体の射乳反射を促す |
ダーウィン反射 (把握反射) | 手足のひらにものが触れる | 手足のひらに触れたものを掴もうとする | 猿からの進化の名残だと考えられている |
バビンスキー反射 (バビンスキィ反射) | 足の裏をかかとから上になでる | 足の指が反り返るように扇状に広がる | バビンスキー現象 |
緊張性頸反射 (非対称性緊張性頸反射) | 仰向けで顎を横に向ける | 顔の向いた側の手足が伸び、反対の手足が曲がる (姿勢反射) | フェンシングの姿勢に似ている |
モロー反射(モロ反射・抱きつき反射)
大きな音、バランスの崩れ、などの刺激に対して、手足を広げたあとに抱きつこうとする反射行動。(驚愕反射)
寝かしつけで抱っこから降ろしたときによく見られ、おくるみやスリングに入れて抑えたりする。
以下の動画は、モロー反射の様子。(無音、0:05)
歩行反射(自動歩行・足踏み反射)
平面に足が触れるなどの刺激に対して、歩くように足を動かす反射的行動。
両脇などを持って体を支えながら行う。
以下の動画は、歩行反射の様子。(音楽のみ、0:19)
乳探し反射(口唇探索反射)
指や乳首などの突起物などの刺激に対して、頬や口で探すように首を動かす反射的行動。
吸啜反射の前行動として行われる。
以下の動画は、吸啜反射と乳探し反射(0:35〜)の様子。(英語音声、0:51)
吸啜反射(吸引反射・吸いつき反射)
口に含んだものなどの刺激に対して、乳を吸うように規則的に口を動かす反射的行動。
母乳を出す母体の射乳反射を促すように働いている。
吸啜反射は、馴化ー脱馴化法と組み合わせて実験に用いられることもある。
ダーウィン反射(把握反射)
手足のひらにものが触れるなどの刺激に対して、手足のひらに触れたものを掴もうとする反射的行動。
猿からの進化の名残だと考えられている。
以下の画像は、大人の親指にダーウィン反射(把握反射)している様子。
バビンスキー反射(バビンスキィ反射)
足の裏をかかとから上になでると、足の指が反り返るように扇状に広がる反射的行動。
この現象をバビンスキー現象と呼ぶ。
以下の画像は、バビンスキー反射のやり方(左)とその結果(上が反応なし、下が反応あり)。
緊張性頸反射(非対称性緊張性頸反射)
仰向けで顎を横に向けると、顔の向いた側の手足が伸び、反対の手足が曲がる反射的行動。
フェンシングの姿勢に似ている。
以下の画像は、緊張性頸反射(非対称性緊張性頸反射)の様子。
参考
関連する心理学用語
発達障害
コメント