マシュマロ実験(マシュマロ・テスト)とは
子供の満足遅延耐性(自制心・セルフコントロール能力)が、大人になってからの成果に長期的な好影響を及ぼすことを示した実験。
マシュマロ実験(マシュマロ・テスト)は、子供の現在バイアス(現在志向バイアス)を用いたテストでもある。
4歳の子供に1つのマシュマロを提示し、15分後に戻ってくるまで一人で食べずに我慢できれば、もう1つマシュマロをあげることを約束し、我慢できるかを確認する。
我慢して2つ目のマシュマロを手にした子供は、満足遅延耐性の高い子供ということになる。
その後の年単位の追跡調査の結果、満足遅延耐性の高い子供は、学業成績などが高い傾向が続くことがわかった。
自制心(セルフコントロール能力)の重要性を説明するメタファー(例え話)として用いられる。
金融教育にも用いられ、お金を預金したり、投資したりした方が、長期的には利息や利益などの点で有利なことが多く、貯蓄や投資には自制心(セルフコントロール能力)が重要であると説明するメタファー(例え話)として用いられる。
ただし、お金を効率よく運用するための金融知識も合わせて必要となり、よく理解しないまま非効率な投資(手数料が高いなど)を行わないように注意する。
自制心(セルフコントロール能力)と衝動性の関係を説明するのに用いられるものとしては、天使と悪魔のメタファー(例え話)もある。
再現実験(追試)による訂正
その後行われた再現実験では、マシュマロを我慢できたこと(満足遅延耐性)の影響は限定的で、家庭の経済的背景の影響の方が大きいことが示されている。
考えてみれば、経済的な余裕があれば我慢しても報酬を得られるが、経済的な余裕がなければいくら我慢しても報酬を得られる経験が少なくなる。
現在では経済的に豊かな環境で育った人は豊かになり、貧しい環境で育った人は貧しくなる傾向があるという悲しい現実を説明するメタファー(例え話)として用いられる。(蛙の子は蛙)
また、優秀な人物は自らの努力(我慢)によって秀でたのではなく、経済的な環境に恵まれていたおかげで努力(我慢)する能力を身につけることができたと説明するメタファー(例え話)としても用いられる。
以下は、マシュマロ実験(マシュマロ・テスト)を行ったスタンフォード大学のウォルター・ミシェルの著作。
マシュマロ実験(マシュマロ・テスト)は、その後多くの書籍に引用された。
以下は、ベストセラーとなった『スタンフォードの自分を変える教室』。
参考
関連する心理学用語
行動分析学
行動経済学
自制心(セルフコントロール能力)
衝動性
マインドフルネス
非認知能力
外在化
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