カウンセリングとコーチングの違い

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カウンセリングとコーチングの違いを見る前に、まず類似点から見ていきましょう。

カウンセリングとコーチングの類似点

カウンセリングとコーチングは兄弟みたいなもので、似ている部分が多くあります。

コーチングがカウンセリング心理学を上手に取り入れながら成長してきた点も大きいでしょう。

  • ビジネスやスポーツ、医療や教育などで活用されている
  • 信頼関係(ラポール)が前提となる
  • 十分な傾聴を重んじる(カール・ロジャーズの『来談者中心療法』)
  • 双方向の(インタラクティブな)営みである
  • 一定期間に渡って継続的に行われる
  • クライエントに合わせて作り変えられる
  • 直接的な答えは示さない(答えはその人の中にある) ※コンサルティングとの違い
  • 人間的な成長を支援する(人間は自己成長力を持っている) ※コンサルティングとの違い

ちなみに、コーチング・コーチに似た用語でメンタリングメンターという言葉があります。

コーチング・コーチは主に外部の専門家・プロを意味するのに対して、メンタリング・メンターは会社など組織内部の指導者・支援者を意味することが多いです。

こちらも似ているようで少し違う言葉です。

カウンセリングとコーチングの相違点

明確に異なるのは主要な領域(入り口)です。

カウンセリングは、マイナス(すでに問題が起こっている状態)をゼロ(問題のない状態)にすることに主眼を置いてきました。うつ病やトラウマからの回復を図るのがよい例です。

逆に、コーチングは、ゼロ(まだ問題が起こっていない状態)をプラス(より良い状態)にすることに主眼が置かれています。目標達成や成果獲得を目指すわけです。

カウンセリングとコーチングの違い

ちなみに、カウンセリングやセラピーでも過去を深掘りするのではなく、主に未来を取り扱うものがあります。

まず、過去を深掘りするものとしては、フロイトらの『精神分析療法』などがあります。

逆に、『短期療法(ブリーフ・セラピー)』では、過去の原因は追求せず、問題解決を優先します。『解決志向型アプローチ(ソリューション・フォーカスト・アプローチ)』などが有名です。

著作『夜と霧』で有名なヴィクトール・フランクルの『ロゴセラピー』は、未来に焦点を合わせたものです。『夜と霧』には、ナチスの強制収容所でも、未来を強く思い描くことで生き抜いてきた経験が描かれています。

カウンセリングとコーチングは両方必要です

人間は多面的な存在です。一面では落ち込んでいても、一面では元気なこともあります。

また、流動的な面もあり、さっきまで落ち込んでいたのが、もう元気になっていることもあります。

その逆も然りです。つまり、カウンセリングとコーチングは切り離せるようなものではないようです。


カウンセリングを受ける人はマイナスの問題を抱えていることが多いと思いますが、前向きになるためにもプラス面や未来の可能性を大事にしたいものです。

コーチングを受ける人はプラスの目標を持つ人が多いと思いますが、一歩踏み出せない理由には、マイナス面や過去の経験が影響している場合もあるかもしれません。

カウンセリングもコーチングも入り口が違うだけで、十分な傾聴を前提とし、あなたに合わせて作り変えられるものです。

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