サーカスの象(鎖につながれた象)とは
学習性無力感(学習性無気力)やトラウマの説明に用いられるメタファー(例え話)。
サーカスの象は、杭につながれた鎖で逃げられないことを小さな頃から学ぶため、大きくなって鎖を杭ごと抜く力を得ていても、それを試そうともしなくなる。
これは、管理者によって管理しやすく教育されていることを表す。
「小象の鎖」、「象の鎖」とも言う。
自分で自分の限界を決めていることの例え話として用いられることもあるが、過去の環境がそうさせたことを忘れてはならない。
以下の図は、サーカスの象(鎖につながれた象)のメタファーを説明する際に用いる画像の例。
この画像を見て、象は逃げられないと考えるのか、象の力なら逃げられると考えるのかが認知の違いである。
試してみないとわからないと考えることができれば、無力感から抜け出して行動に移すことができるかもしれない。
ただし、何度か失敗すること、試行錯誤することは仕方がないことを理解し、無力感を再学習して終わらないように注意する。
また、新たな環境で生きていくための心理的支援やサポートを受けられるようにしておくことも重要である。
サーカスの象のようになっている自分に気づいたら、少しずつ練習してみましょう。
体につながれた鎖は、硬そうに見えるかもしれません。
でも、鎖の先のクイごと引き抜けば、意外と簡単に抜けてしまいます。
ただ、一度では無理かもしれません。
何度も練習を繰り返すうちに、クイが緩んでいきます。
そして、ある日、あっけなく抜けるのです。
学習性無力感(学習性無気力)はうつ病やPTSD(心的外傷後ストレス障害)と似た症状を示し、支配的な家庭で育った子供や硬直化した職場で働く大人などの抑うつ状態を説明することにも用いられる。
逃げ場のない家庭環境などで、過干渉な親に厳しく支配されて育った子供は、成長して大人になっても親の言いなりになってしまいやすい。(俗にいう毒親である。)
一時的には活動量が増加するため、職場では叱責などが多用されるが、マネジメント手法としては低次のやり方であり、結局は生産性(パフォーマンス)の低下につながる。(俗にいうパワハラである。)
学習性無力感(学習性無気力)については、ポジティブ心理学を提唱したマーティン・セリグマンによって、犬を使った電気ショックの実験が行われている。
学習性無力感(学習性無気力)のメタファー(例え話)としては、カマス理論も用いられる。
以下は、サーカスの象(鎖につながれた象)を描いたスペイン語の絵本。
参考
関連する心理学用語
PTSD(心的外傷後ストレス障害)
認知行動療法
ポジティブ心理学
毒親
パワハラ
外在化
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