試行錯誤説とは
動物など低次な心的能力であっても、試行錯誤によって学習が成立するとする説。
モーガンの公準(モーガンの節約律)を参考に、アメリカのエドワード・ソーンダイクは猫の問題箱の実験を行った。
空腹の猫を問題箱(紐を引くなどすると脱出できる)に閉じ込めて外に餌を置き、試行錯誤によって偶然脱出できることを繰り返すと、次第に脱出成功までの時間が短くなっていく。(試行錯誤学習)
試行錯誤学習によって、たまたま成功したときは満足(快)が生じるので行動頻度が上がり、たまたま失敗したときは不満足(不快)が生じるので行動頻度が下がることを効果の法則という。
効果の法則は、のちのオペラント条件づけ・道具的条件づけにおける強化とほぼ同じことを説明しようとしている。
試行錯誤学習は、自発的行動を扱った学習として、のちの行動主義におけるオペラント条件づけ・道具的条件づけであるとされる。
また、猫の問題箱は、初期の比較心理学が逸話法(逸話記録法)を用いたのに対し、道具を用いた動物実験を行った点でも、のちの行動主義に影響を与えている。(スキナー箱など)
以下の図は、試行錯誤説を猫の問題箱の実験で説明したエドワード・ソーンダイク。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:PSM_V80_D211_Edward_Lee_Thorndike.png
関連する心理学用語
試行錯誤学習
S-R理論(S-R説)
効果の法則
潜在学習
洞察(見通し)
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