耐性領域(耐性の窓・Window of Tolerance)とは
過覚醒状態と低覚醒状態に挟まれた最適覚醒状態に維持される領域を耐性領域(耐性の窓)と呼ぶ。
トラウマケアやポリヴェーガル理論(多重迷走神経理論)などで用いられる。
以下の図は、上から過覚醒状態、最適覚醒状態、低覚醒状態を表している。
上に振れてしまうと、交感神経系が優位になり、闘争・逃走反応(fight-or-flight response)などが引き起こされる。
下に振れてしまうと、背側迷走神経複合体が優位になり、凍結反応・凍りつき反応(freeze response)などが引き起こされる。
腹側迷走神経複合体によって耐性領域(耐性の窓)の中に維持される。
耐性領域(耐性の窓)の幅は人によって異なり、またその人の健康状態や受ける刺激などによっても変動する。
https://www.lifebydesigntherapy.com/blog/why-understanding-your-window-of-tolerance-is-essential-to-managing-stress-and-overwhelm/7/2020
耐性領域(耐性の窓)の中であれば、外受容感覚と内受容感覚(身体感覚)から得られる情報が統合される。
このとき、自分の気分、感情、思考などを感じることができ、自分の体験を言語化することができるようになる。
耐性領域(耐性の窓)を維持することで、トラウマの再体験、暴露(エクスポージャー)を安全に行うことができる。
内受容感覚(身体感覚)への注意(暴露)とトラウマ記憶への注意(暴露)を行ったり来たりすることをペンデュレーション(振り子運動)と呼ぶ。
これによって、耐性領域(耐性の窓)は徐々に広げられていく。
耐性領域(耐性の窓)が広がれば、行動レパートリーが増え、自分の人生を自分で選択できるようになる。
参考
関連する心理学用語
PTSD(心的外傷後ストレス障害)
闘争・逃走反応(fight-or-flight response)
愛着障害
S-O-R理論
第三世代の認知行動療法
マインドフルネス
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