自己肯定感(自尊心・自尊感情)とは
自分を全体として肯定的に評価できる感覚のこと。
自分を個別領域ごとに評価することは、自己評価という。
自尊心と言うと、プライドと同じ意味に誤解されかねないため、自尊感情とも呼ぶ。
自己肯定感(自尊心・自尊感情)によって、動機づけ(モチベーション・やる気)が高まることがある。
以下は、モリス・ローゼンバーグらによる自尊感情尺度である。5段階で評価する。
- 少なくとも人並みには、価値のある人間である。
- いろいろなよい素質をもっている。
- 敗北者だと思うことがよくある。(逆転項目)
- ものごとを人並みには、うまくやれる。
- 自分には、自慢できるところがあまりない。(逆転項目)
- 自分に対して肯定的である。
- だいたいにおいて、自分に満足している。
- もっと自分自身を尊敬できるようになりたい。(逆転項目)
- 自分はまったくだめな人間だと思うことがある。(逆転項目)
- 何かにつけて、自分は役に立たない人間だと思う。(逆転項目)
自己肯定感(自尊心・自尊感情)を高めるには、第三世代の認知行動療法であるマインドフルネスやセルフコンパッションを訓練することが考えられる。
ソシオメーター理論(ソシオメータ理論)
自己肯定感(自尊心・自尊感情)は、自分と周囲との関係について、現在の状態を知らせる計器メーターのようなものだと考えることができる。
例えば、仕事で失敗して上司を怒らせたあと、自己肯定感(自尊心・自尊感情)が低下することで、信頼を取り戻そうとする行動をとる。
例えば、夫婦喧嘩をしたあと、自己肯定感(自尊心・自尊感情)が低下することで、仲直りを促進する。
このように、自己肯定感(自尊心・自尊感情)は、社会環境に適応するために必要不可欠なものだと考えるわけである。
これは、自己肯定感(自尊心・自尊感情)は、他者を尊重することで高められるということにもつながる。
自己肯定感と自己効力感の違い
わかりやすくいうと、自己肯定感(自尊心・自尊感情)は「自分は価値があると肯定できる感覚」、「自分は自分でいいと思えること」である。
自己肯定感は、英語で「self-esteem」と書く。
わかりやすくいうと、自己効力感(セルフ・エフィカシー)は「自分はできると期待できる感覚」、「自分はきっとできると思えること」である。
自己効力感は、英語で「self-efficacy」と書く。
自己肯定感を高める自己奉仕バイアス
自己肯定感(自尊心・自尊感情)を高める認知バイアスとして、自己奉仕バイアス(セルフ・サービング・バイアス)がある。
わかりやすくいうと、「成功は自分のおかげ、失敗は周りのせい」ということである。
欧米では顕著に見られる傾向だが、アジアでは逆の傾向が見られるとの報告もある。
参考
関連する心理学用語
非認知能力
自動思考
マインドフルネス
セルフコンパッション
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