自律訓練法とは
ドイツのヨハネス・ハインリヒ・シュルツが開発した、ストレス対処のための心理的・生理的な訓練法。
「温感練習」や「心臓調整」などで緊張を取り除き、弛緩(リラックス)状態や催眠状態を作り出す。
本来コントロールの難しい自律神経を意図的にコントロールすることができるようになるため、セルフケアにも用いられる。
ただし、ある程度の期間にわたって訓練が必要である。
自律訓練法は、以下の背景公式(安静練習)と6つの公式(練習)の合計7つからできている。
- 背景公式(安静練習)・・・「気持ちが落ち着いている」
- 第一公式(重感練習)・・・「手足(両腕両脚)が重たい」
- 第二公式(温感練習)・・・「手足(両腕両脚)が温かい」
- 第三公式(心臓調整)・・・「心臓が静かに(規則正しく)打っている」
- 第四公式(呼吸調整)・・・「らくに呼吸をしている(呼吸がらくだ)」
- 第五公式(腹部温感練習)・・・「お腹が温かい」
- 第六公式(額涼感練習)・・・「額が(心良く)涼しい」
自律訓練法の効果には、以下のようなものがある。
- 疲労回復
- イライラの低減
- 自制心(セルフコントロール能力)の向上
- パフォーマンス(能率)の向上
自律訓練法のやり方(手順)
- 練習前の準備
弛緩(リラックス)しやすい環境を整える。
できるだけ刺激を受けないように、外部の刺激を減らす。
ベルトや腕時計などの体を圧迫するものを外す。
気になることがあれば、あらかじめ済ませておく。
- 練習姿勢を整える
布団に仰向けに横たわるか、椅子に腰掛ける。
布団に横たわるのであれば、枕を使い、手足は伸ばしすぎずに軽く曲げる。
椅子に腰掛けるのであれば、深くゆったりと座り、足の裏が床につくようにする。
- 目を閉じて始める
背景公式(安静練習)と六つの公式(練習)を、心の中でゆっくり何度も繰り返す。
雑念が生じたら、雑念が浮かぶままに任せるようにする。
雑念を消そうとすると、雑念はますます大きくなってしまうが、ただそのままにしていると、いつの間にか消えていく。
- 消去動作で終了する
両手を握り、腕を数回曲げ伸ばし(屈伸)する。
大きく伸びをするように、数回深呼吸してから目を開ける。
全体で10〜15分程度の長さだが、慣れないうちは数分から始める。
参考
関連する心理学用語
マインドフルネス
ストレスコーピング
自制心(セルフコントロール能力)
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