毒親の特徴とカウンセリング

家庭は監禁場所となりうる

一般的にどんな家庭環境も監禁場所であるという認識はされていません。

一方で、心理的には監禁状態に置かれているかのように感じることがあります。

こうした目に見えない監禁状態は、周囲の無理解につながり、他者へ助けを求める行動を阻害します。


たとえば、子どもは一人で生きていけないために監禁状態に置かれます。

たとえば、大人はパートナーによる家庭内暴力により監禁状態に陥ります。

片方の親が家庭内暴力によって監禁状態にある場合、その子どもも監禁状態に陥るでしょう。


毒親の特徴

毒親は自分が悪いとは思っていません。

むしろ、自分は悪くないという正当化を子どもに求めます。

そのために、子どもをコントロールし、支配しようとします。


乳児期から思春期に至るまで、あるいは成人していればなおのこと、子供の離反はおろか自分と考えが違うことすら自分に対する個人的な攻撃と受けとめてしまう。そういう親は、子供の「非力さ」と親に対する「依存度」を大きくさせることによって自分の立場を守ろうとする。子供の健康的な精神の発達を助けるのではなく、それと反対に無意識のうちにそれをつぶそうとするのである。しかも困ったことに、しばしば本人は子供のためを思ってそうしているのだと考えていることが多い。

スーザン・フォワード『毒になる親』


まず、継続的な暴力、言葉による暴力、否定的な発言、言っていることと実際に伝えようとしていることが矛盾するダブルバインドなどによって、断続的に子どもを傷つけます。

実際に暴力をふるうよりも、暴力をふるうぞと脅したり、物を壊したりすることで精神的に追い詰める方法がよく用いられます。

むしろ、暴力をふるわれないだけマシだと、子どもは自分に言い聞かせるようになるため、この方が実は悪質な支配を意図しています。


たまに子どもが激しい抵抗をしたりすると、そんなつもりはなかったと泣いて謝ったりします。

これによって、子どもは親が変わってくれる可能性に期待を持たされることになります。

一方で、毒親は期待させて自分の支配から逃れられないようにするために、そのような行動をとるのです。

愛情は、気まぐれで、たまに与えられることによって、こうした効果を高められるため、子どもの「今度こそ」という期待はその度に大きく裏切られることになります。


このタイプの親の持つ問題の深刻さがなかなか理解されにくいのは、彼らは子供を支配しようとしているのに「子供のことを気づかっている」という”隠れみの”に包まれているためである。彼らの言う「あなたのためを思ってしているんです」と言う言葉の本当の意味は、「私があなたをコントロールするのは、あなたがいなくなってしまうことがあまりにも不安なので、あなたをいかせないでみじめな思いをさせるためなのよ」ということにほかならない。

スーザン・フォワード『毒になる親』


これには、他にも同じことが言えます。

決められた服装しか認められない、決めたれたものしか食べられない、決められた進路しか選べない、決められた部活しか許されない、決められた人としか付き合えない、などのように、行動を制限されます。

そうすると、たまに禁じられたことが許されただけで、親に感謝することになるからです。

好きな物を食べさせてくれてありがとう。お腹いっぱい食べさせてくれてありがとう。食事を作ってくれてありがとう。いつもは食べさせてくれないけれど。。

こうすると、毒親はあたかも子どもにとって命の恩人になってしまいます。


そして、毒親は家庭外との人間関係を断とうとしてきます。

友人と遊ばないように、学校に行かないように、人間関係を断つ場合もあります。

一方で、人間関係を断たなくても、あんな友人とは付き合うな、あの親族は信用ならない、あの先生は何もわかっていない、などの言葉で関係性を損わせることができます。

まるで子どもは親に従っていればいい、親の言う通りの人生を生きていればいいと言うかのように。

そうして、徐々に自分の人生ではなく、親の人生を生きることを余儀なくされます。


それでも、自分の親の愛情は本物だ

それでも、自分の親の愛情は本物だと思いたいものです。

一方で、そう思っていることが、すでに本物の愛情ではない証拠になります。

なぜなら、本物の愛情であれば、自分に本物の愛情だと言い聞かせる必要はないからです。


親の愛情に恵まれた人は、それを当然のことだと捉えています。

そのため、親の愛情が本物かどうかなど気にも止めません。

自分の親の愛情が本物かどうか、そのことを考えてしまっている時点で、愛情を疑っている証拠なのです。


被虐待児は、虐待は実はなかったと思い込むほうが好きなのである。この絶望を満たすために、被虐待児は虐待されているという秘密を自分自身からも隠蔽しようとする。

ジュディス・L・ハーマン『心的外傷と回復』

親を怖がっている子供は自信が育たず、依存心が強くなり、「親は自分を保護し必要なものを与えてくれているのだ」と自分に信じ込ませる必要性が増す。残酷な言葉で心を傷つけられたり、体罰を加えられて痛い目にあわされた時、幼い子供は「きっと自分がいけなかったのだろう」と思う以外に自分を納得させる道がない。

スーザン・フォワード『毒になる親』


毒親に育てられた人のカウンセリング

このように、毒親に育てられた人は、そのことを否認します。

親にも言い分はある。私がひどいことを言ったから。そうやって、親の肩を持ち、自分を責めることを続けます。

そのこと自体が親にコントロールされているとも知らずに。。


虐待という現実を回避することが不可能になると、被虐待児は虐待を正当化する意味体系をこさえ上げなければならなくなる。被虐待児は自分は生まれつき悪い子で、それが原因なのだと結論せざるを得なくなる。

ジュディス・L・ハーマン『心的外傷と回復』

外部の世界から自分を守るすべがなく、生活のすべてを親に依存している小さな子供は、親が怒っているのは自分がなにか”悪いこと”をしたからだろうと感じるのが普通である。自分を守ってくれるはずの親が実は信頼できない人間だったなどということは、小さな子供には考えもつかないからだ。

スーザン・フォワード『毒になる親』


このような場合、カウンセリングでは、一緒に事実を整理していきます。

過去親にどのようなことをされましたか?

本当はどのようにしたかったですか?

それは自分の選択でしたか?もしくは親が選択したものですか?

主語を明確にしていくことで、徐々に事実が浮かび上がってきます。


治療者は、真実こそ常に努力目標でなければならないものであり、最初は到達困難であるが、時とともに次第に到達できるようになることをはっきりと述べなければならない。

ジュディス・L・ハーマン『心的外傷と回復』


親を許そうとする人はいますが、親が自分の罪を認めない限りは、それを許すことなどできません。

最終的に許しが訪れるとしても、それは結果であってプロセスではありません。

親を許そうとすることは、つらい過去を思い出すことを避けようとする方便です。

親を許せない感情、激しい怒りや深い悲しみをを認めた上で、まずは自分を許すことが先決です。


「許し」とは、許される側の人間がそれに値するなんらかの具体的な行動を取った時にはじめて適切なことと言えるのではないか、と私は思うのだ。子供に害悪を与えた親は、自分の行ったことがなんであったかを認め、その責任が自分にあることを認め、自分を改める意思を見せなければならない。

スーザン・フォワード『毒になる親』


一方で、事実に向き合うことは大変つらい作業です。

特にトラウマの強い出来事などは、身体に強い感覚が記憶されています。

その場合は、話すのは逆に危険を伴うため、身体的なアプローチを行います。

具体的には、マインドフルネス、トラウマセラピーなどです。


最後は、ご自身で毒親からの脱却を決断していただくしかありません。

これは、物理的に親元から離れるだけでなく、心理的に親から離れることも含まれます。

一人で行うことは大変難しいため、カウンセリングを受けていただくことをおすすめします。

親の考えを捨てた上で、新たな世界をどう生きていくのか、それを一緒に考えていきます。


以下は、『毒になる親』の著者であるスーザン・フォワードによる毒親チェックリストです。

ご自身が当てはまるかどうか確認してみてください。

(1) あなたが子供だった時、

1. あなたの親は、あなたの人間としての価値を否定するようなことを言ったり、ひどい言葉であなたを侮辱したり、ののしったりしたか。あなたを始終批判してばかりいたか。

2. あなたの親は、あなたを叱る時に体罰を加えたか。あなたはベルトやヘアブラシそのほかのものでぶたれたか。

3. あなたの親は、しょっちゅう酒に酔っていたり、薬物を使用したりしていたか。あなたはその光景を見て、頭が混乱したり、嫌な気がしたり、怖くなったり、傷ついたり、恥ずかしいことだと感じたことがあるか。

4. あなたの親は、いつも精神状態が不安定だったり、体が不調で、そのためにいつもひどくふさぎ込んでいたり、あなたをいつもひとりぼっちにして放っていたか。

5. あなたの親はいろいろな問題を抱えており、そのためにあなたは彼(彼女)の世話をしなければならなかったか。

6. あなたの親は、あなたに対して何か秘密を守らなくてはならないようなことをしたことがあるか。あなたに対して何らかの性的な行為をしたことがあるか。

7. あなたは親を怖がっていることが多かったか。

8. あなたは親に対して腹を立ててもかまわなかったか。それとも、親に対してそういう感情を表現することは怖くてできなかったか。

(2) 大人としての現在のあなたは、

1. 異性関係を含み、いつも人との関係がこじれたり、いつも相手を踏みにじったり踏みにじられたりして争いになるか。

2. あまり心を開いて人と親しくなりすぎると、その相手から傷つけられたり関係を切られたりすると思うか。

3. たいていいつも、人との関係では悪い結末を予想しているか。人生全般についてはどうか。

4. 自分はどんな人間か、自分はどう感じているか、何をしたいのか、といったことを考えるのは難しいか。

5. 自分の本当の顔を知られたら、人から好かれなくなるのではと思うか。

6. 何かがうまくいきはじめると心配になってくるか。自分が”ニセ物”であることをだれかに見抜かれはしないかと不安になるか。

7. はっきりわかる理由が見あたらないのに、時どき無性に腹が立ったり、なんとなく悲しくなったりすることがあるか。

8. 何事も完全でないと気がすまないか。

9. リラックスしたり、楽しく時間を過ごすことが苦手か。

10. まったく悪意はなく、人によくしようと思っているのに、気がつくと「まるで自分の親みたい」に行動をしていることがあるか。

(3) 現在のあなたと親との関係

1. あなたの親はいまだにあなたを子供のように扱うか。

2. あなたが人生において決定することの多くは、親がそれをどう思うだろうかということが基本になっているか。

3. 親と離れて暮らしている場合、あなたはこれから親と会うことになっているという時や、親と一緒に時間を過ごした後で、精神的、肉体的にはなはだしい反応が出るか。

4. あなたは親の考えに反対するのに勇気がいるか。

5. あなたの親は、あなたを威圧したり、罪悪感を感じさせたりして、あなたを自分の思い通りに行動させようとするか。

6. あなたの親は、金銭的なことを利用して、あなたを自分の思い通りに行動させようとするか。

7. 親がどういう気分でいるかはあなたの責任だと思うか。もし親が不幸だとしたら、それはあなたのせいだと思うか。親に幸福感を感じさせるのはあなたの仕事だと思うか。

8. あなたが何をしても親は満足しないと思うか。

9. あなたはいつの日か親が変わってくれる時がくると思っているか。

スーザン・フォワード『毒になる親』


カウンセリングを受けるだけのお金が必要にもなるでしょう。

そのためには、やはり働いていることが前提にはなります。

むしろ、親元を離れるためには働くことは避けて通れないことでしょう。

ただし、お金だけでは不足していて、心理的なサポートが必要になるのです。


オンラインカウンセリングであれば、安価にカウンセリングを受けられます。

自宅などで一人になれる人はビデオカウンセリングを、車などで一人になれる人は音声通話カウンセリングを、一人になるのが難しい場合はメッセージカウンセリングをご利用ください。



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