アルコール依存症と乱用の違いとカウンセリング

アルコール依存症とアルコール乱用の違い

アルコール乱用は、障害や苦痛を引き起こす不適応的な飲酒行為です。

アルコール依存症は、アルコール乱用が継続し、耐性を獲得し、離脱症状を生じるまで悪化し、重要な役割や義務を行えなくなったり、身体的な問題に発展したりすることです。

カウンセリングでは、アルコール乱用をコントロールできるように教育したりすることで、アルコール依存症からの回復を目指します。


アルコール依存症は、否認の病

アルコール依存症は否認の病です。


まず、本人がアルコール依存症であることを強く否認します。

少し飲み過ぎただけ、たまたま失敗しただけ、もう同じことは繰り返さない。

そう言いながら、飲酒と失敗を繰り返します。

飲酒だけでなく、器物損壊やギャンブル、暴力や虐待を繰り返すこともあります。


また、家族やパートナーもアルコール依存症であることを否認することがあります。

仕事のストレス発散で仕方ないんだよ、いつもは優しい人だから、仕事がうまくいかないのは不景気のせいなんだ。

そう言っては、お酒を飲むことを許し、まるで腫れ物であるかのように優しく扱い、飲酒を是認します。

ここまで至っていなければ、まだ救いがあります。


そして、家族全員で普通の家庭を装うようになります。

友人を家に呼ぶと家庭の内情がバレるため、パートナーや子供も友人を連れてこようとはしません。

絶えず世間体を気にしながら、家族以外の人間関係が極度に減少し、逆説的に家族の絆が強まります。

これは、決してよい形の絆ではなく、その正体は共依存であり、パートナーや子供にも計り知れない悪影響を及ぼします。


アルコール依存症と共依存

この場合、家族の絆が強まることは、決してよいことではありません。

その正体は家族間の依存であり、飲酒だけでなく共依存の関係を生み出します。

そうすると、ますますアルコール依存症を脱却することは難しくなります。


共依存は、配偶者・パートナー関係や親子関係で形成されます。

そして、アルコール依存症を許し、面倒をみることに自分の存在価値を見出し、アルコール依存症を促す役割を持ちます。

献身的で、自己犠牲的な人ほど、共依存の関係に陥りやすくなります。


アルコール依存症は、人との約束を破らせる

アルコール依存症の場合、飲酒が人生における最優先事項になります。

そのため、どんな理由をつけて飲酒しようかと常に考えている状態になります。

休肝日を作ることなどできず、毎日飲酒を繰り返します。

そして、友人との大切な約束(たとえば、友人の結婚式など)の前や前日に深酒をして、約束を破る行為につながります。

そうしたあとに後悔するのでしょうか。

もし後悔した場合は、それを理由にまた飲酒を繰り返すでしょう。

嫌なことは忘れたいからです。


アルコール依存症のカウンセリング

依存症のカウンセリングにおいては、本人の目的意識が大変重要になります。

カウンセリングを受ける時点で、ある程度の禁酒意志があることが多いですが、それだけではまだ足りません。

アルコール依存症に必要なのは、一旦飲酒をやめる禁酒ではなく、一生飲まないと誓う断酒です。

そのため、飲酒よりも大切なことを徹底して探していきます。

飲酒が人生の最優先事項である限り、飲酒をやめることはできないからです。

そして、飲酒より大切なことは、本人が気づいていないだけで、必ずすべての人が持っています。


もしかしたら、生きる意味を失っていると感じているのかもしれません。

それは、アルコール依存症の”症状”です。

アルコールをしばらく断つことができれば、その間に生きる意味を思い出す時間が作れます。

その時間を有効に活用するためには、必ず第三者の支援が必要となります。

そして、それはカウンセラーだけでなく、周囲の身近な人たちの協力も必要になるでしょう。

カウンセリングの中では、家族や同僚など、身近な人たちに協力してもらう方法も含めてサポートを行います。



参考:共依存チェックリスト

以下は、『毒になる親』の著者であるスーザン・フォワードによる共依存チェックリストです。

当てはまるかどうか確認してみてください。

1. たとえそれがどんなにつらくても、彼(彼女)の問題を解決して苦しみを取り除いてあげることが私の人生でもっとも重要なことだ。

2. 私が気分よくいられるかどうかは、彼(彼女)が私のすることを認めてくれるかどうかによる。

3. たとえそれが、彼(彼女)が自分でしたことの結果自分の身に起きたことであっても、私はそのことから彼(彼女)を守ってあげたい。そのためには、嘘をつくことも、もみ消しをすることもいとわない。人が彼(彼女)の悪口を言うようなことは許さない。

4. 私は彼(彼女)が、私の望むように行動するよう一生懸命努力する。

5. 私は自分がどう感じるかとか、何をしたいかということにはあまり注意を払っていない。大事なのは、彼(彼女)がどう感じ、どうしたいかということだ。

6. 私は彼(彼女)から拒否されるのを避けるためには、どんなことでもする。

7. 私は彼(彼女)を怒らせないようにするためには、どんなことでもする。

8. 私は劇的で嵐のような恋愛のほうが情熱を感じる。

9. 私は完全主義者なので、うまくいかないことがあると自分を責める。

10. 私はだいたいいつも腹を立てていることが多く、自分は人から理解されたり感謝されておらず利用されているように感じている。

11. 私はうまくいっていない時でもうまくいっているようなフリをしている。

12. なんとしてでも彼(彼女)から愛されるようにすることが、私の人生でもっとも重要なことだ。

スーザン・フォワード『毒になる親』


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