部分強化効果(間欠強化効果)とは
オペラント条件づけ・道具的条件づけにおいて、毎回強化子(報酬などの刺激)を与える連続強化よりも、ときどき強化子を与える部分強化(間欠強化)の方が学習の消去(抑制)が起こりにくい(消去抵抗が大きい)こと。
ギャンブル依存やゲーム依存などが典型例で、恋愛や教育などでは「アメと無視」、「じらし」や「おあずけ」などとして利用されるものである。
「ハンフリーズ効果」や「強化矛盾」とも呼ぶ。
学習・教育の手法としては、学習したあとはご褒美などの強化子を与える頻度を(急激にではなく)徐々に減らした方が長続きすること。
反応を形成するには連続強化のほうが効果的だが、反応を維持するためには部分強化(間欠強化)のほうが効果的だといえる。
この現象を説明する理論としては弁別仮説がある。
弁別学習(弁別訓練)を強化子に対して適用すると、強化子(弁別刺激)はわかりやすく見分けがつきやすいほど学習が進みやすい。
一方で、部分強化(間欠強化)の場合は、もともと強化子が与えられたり与えられなかったりするため、強化子を与えないことで消去しようとしても、はじめは見分けがつきづらいことになる。
このように、弁別仮説では、連続強化より部分強化(間欠強化)の方が消去と弁別(識別)しにくいため、部分強化(間欠強化)の方が消去しにくくなるとする。
部分強化効果(間欠強化効果)によって、S-R理論における刺激(Stimulus)と反応(Response)の関係(S-R結合・S-R連合)が、実際には単純なものではなく、実は複雑な関係にあることがわかる。
部分強化効果(間欠強化効果)は強化スケジュールによっても変化し、スキナー箱の実験によって様々な強化スケジュールの研究が進められた。
報酬などの強化子を連続して与えないのではなく、スタンプカードなどトークン(引換券)として実態のある強化子を与える場合は、トークン・エコノミー法である。
参考
関連する心理学用語
徹底的行動主義
S-R結合(S-R連合)
S-R理論(S-R説)
S-R心理学
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