刷り込み(刻印づけ)とは
幼少期などの短期間の経験(学習)が、長期間に渡って強い影響を及ぼすこと。(消去が難しい。)
「刷り込み学習」や「インプリンティング」とも呼ばれる。
人間で言えば、「三つ子の魂百まで」ということである。
刷り込み(刻印づけ)は、オーストリアのコンラート・ローレンツ(ロレンツ)によって行われた、ヒナの愛着行動の実験によって広まった。
鳥のヒナは、卵から孵化して最初に目にしたものに対して、追尾するなどの愛着行動を示す。
例えば、初めて見た人間に愛着を示し、ヒナは人間のあとを追うようについて来るようになる。
生後間もなく臨界期(敏感期)を過ぎると、刷り込み(刻印づけ)は起こりづらくなる。
特に強化子を与えなくても成立するため、オペラント条件づけ・道具的条件づけでは説明が難しい学習である。
現在では、甲状腺ホルモンが刷り込み(刻印づけ)に関与していることがわかっている。
刷り込み(刻印づけ)は、トラウマや愛着障害などを説明するメタファー(例え話)としても用いられる。
初期の経験や愛着形成が、その後の行動に大きな影響を与える。
社会的な接触を断たれると、発達が阻害され、攻撃的になったり、自傷行為などの問題行動が多くなる。
一方で、できるだけ早期に社会的な接触を増やすような介入を行うことで、徐々に社会的行動が回復していく。
以下の図は、刷り込み(刻印づけ)を広めたコンラート・ローレンツ(ロレンツ)。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Konrad_Lorenz.JPG
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