構成主義・要素主義とは
心を要素の集合として捉え、要素と要素の組み合わせで構成されるとする立場。
構成主義(要素主義)は、たとえて言えば、「心とは何か」、「心とはどのようにできているのか」という問いに応えようとするもの。
実験心理学の父と呼ばれるドイツのヴィルヘルム・ヴントが、内観法(内省法)を用いて心を要素に分けて理解しようとしたことから始まる。(要素主義・要素還元主義・還元主義)
その後、エドワード・ティチェナーによって、要素の組み合わせによって心の現象を理解しようとする構成主義に発展した。(構成主義)
なお、ここでいう構成主義(structuralism)は、教育・発達領域におけるピアジェの構成主義(constructivism)やヴィゴツキーの社会的構成主義(social constructivism)とは別のもの。
構成主義・要素主義は、要素に分けて理解しようとするため、生物有機体の持つ機能や効用を理解することが難しくなる。
そのため、環境に適応する生物有機体としての機能や効用として心を理解しようとする機能主義と比較される。
機能主義は、たとえて言えば、「心とは何のためにあるのか」、「心とはどのように働くのか」という問いに応えようとするもの。
機能主義の代表的人物であるアメリカのウィリアム・ジェームズは、意識の流れは絶えず変化するため、要素に分けて考えることはできないと説明した。
構成主義・要素主義は、要素を組み合わせて構成されるものとして考えるため、全体としての振る舞いを理解することが難しくなる。
そのため、のちのゲシュタルト心理学などの全体論(全体主義・ホーリズム)と比較される。
全体論(全体主義・ホーリズム)は、たとえて言えば、「全体とは部分の総和以上の何かである」と考えるもの。
以下の図は、構成主義を提唱したエドワード・ティチェナー。
参考
関連する心理学用語
ゲシュタルト心理学
全体論(全体主義・ホーリズム)
構成主義(心理的構成主義)
社会的構成主義
コメント