虐待とは
児童虐待防止法では、児童虐待は保護者または養育者が18歳未満の子どもに対して行う以下の行為とされています。
- 身体的虐待(身体的暴行)
- 性的虐待(性的暴行)
- ネグレクト(養育放棄)
- 精神的暴力(暴言、拒絶、DV:ドメスティック・バイオレンスなどによる心的外傷)
このことからわかる通り、虐待は身体的な暴力だけでなく、言葉の暴力も含まれます。
さらには、子どもが直接関与しない家庭内暴力などによる心的外傷(トラウマ)が含まれます。
ネグレクト(養育放棄)では、必要な食事や医療を受けさせないことなどが該当します。
その暴力は決してあなたのためではない
このような暴力を受けた子どもは、「あなたのため」と言い聞かされることが多くあります。
そして、子どもは他人の心配に対して、「自分のためにしてくれた」と言い張るようになります。
これは、子どもが親にコントロール(支配)されていることを表します。
一方で、どんな子どもも人格を持つ人間であり、たとえ親であってもその人格をコントロールされるべきではありません。
これは、もっとも尊重されるべき基本的人権です。
つまり、その暴力や暴言、拒絶やネグレクトなどは、決してあなたのためではないのです。
毒親、アダルトチルドレン、インナーチャイルド、、
子どもをコントロール(支配)しようとする親を毒親と呼びます。
機能不全家族で育って大人になった人をアダルトチルドレンと呼びます。
大人になっても存在する子ども時代の人格をインナーチャイルド(内なる子供)と呼びます。
これらの言葉が、虐待を受けた人の心に響くことがあります。
もし何か引っかかるものがあれば、それは否定してきた虐待を思い出すきっかけになるかもしれません。
ただし、思い出すことはつらい体験になるため、一人で無理に思い出そうとすることは避けてください。
もし過去に虐待を受けていたら
過去に虐待を受けてそのまま大人になった人は、まず虐待を受けた環境から抜け出すことが必要になります。
大人になったので、もう虐待は受けていないかもしれません。
それでも、心的外傷(トラウマ)は、その環境を危険だと絶えずアラームを鳴らします。
トラウマは脳ではなく、身体に記憶されることがわかってきています。
これは、いくら頭で考えても無駄で、身体感覚で安全であると感じられる必要があるということです。
いくら「今虐待はない」と自分を説得しようとしても、生存本能は危険な環境を察知するのです。
新たな環境に適応するために
今の環境を抜け出しても、人生は続きます。
今度は新たな環境で生きていくことが必要です。
そのためには他者から心理的な支援を受けることが必要になります。
一人で悩まずに、他者の支援を受けてください。
※今現在、虐待を受けている人は、児童相談所などに相談してください。
※児童相談所への電話番号は、189(いちはやく)です。